勤務先のブランド服「強制購入」は適法か 「商品を理解するために」と言われたら…

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強制ではないものの、周りの方がみんな購入しているので…(写真:ふじよ / PIXTA)

勤務先で、商品を強制的に買取させられそう――。そんな人たちから、弁護士ドットコムの法律相談には、様々な相談が寄せられています。

ある方は、「毎年、年末になると、ほぼ強制的に約2万円の『おせち』を会社から購入しなければなりません」と書きます。強制ではないものの「周りの方がみんな購入しているので、断りづらい雰囲気がすごく感じられます」といい、購入しないことで「不当な扱いをされたら……。なんて考えると買わざるを得ません」。

また、ある紳士ブランドショップで働く方は、「強制的に高額のそのブランドを買って着ろと言われました。職務規定にもそういう事は全く記載されていません」と言います。

このような、断りづらい雰囲気の中で、自社製品の強制的な買取を拒否することはできるのでしょうか? また、商品を明確に「買え」という場合だけでなく、暗黙の了解事項として買取をさせることは、どのような法的な問題があるのでしょうか?村松由紀子弁護士に聞きました。

自社製品購入の義務はある?

当記事は弁護士ドットコムニュース(運営:弁護士ドットコム)の提供記事です

会社が従業員に対し、何かを強制するには、法的な根拠が必要です。

従業員が、自社製品を購入する義務はどこにもありません。従って、会社は「明示的」であれ、「黙示的」であれ、商品買取を強制することは出来ず、仮に強制された場合は拒否することができます。

買取義務がない以上、従業員が買取を拒否したことを理由に、不当な扱いをすることも許されません。

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