金看板「バーバリー」を失った三陽商会の苦境 業績低迷で中期計画を発表できず

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三陽銀座タワー。三陽商会の主要ブランドが勢ぞろいする(記者撮影)

10月の平日、東京・銀座8丁目にある「三陽銀座タワー」。地下1階から9階まで、百貨店アパレル大手・三陽商会の主要ブランドが勢ぞろいする。1階にはバーバリー・ブルーレーベルの後継ブランドである「ブルーレーベル・クレストブリッジ」を展開。三陽商会独自のチェック柄があしらわれたコートを中国人女性2人組が吟味していた。

「英国バーバリーは中国でも高級ブランド。日本に来たついでに、親しみのあるブルーレーベルを買いに来る海外の方も多い」(店舗スタッフ)。だが、自社ブランドを展開する他のフロアに人影はまばらだった。

議論がまとまらず時間切れ

10月末、三陽商会は予定していた中期計画の発表を延期した。2016年6月中間期に58億円と大幅な営業損失を計上。これを機にこれまでの中期計画を見直し、10月中に新たな計画を発表する予定だった。

が、3カ月では時間が足りなかった。杉浦昌彦社長を委員長とした経営計画委員会を発足させ、若手の現場社員も入れて議論が交わされたが、方向は固まらなかった。第3四半期決算では営業赤字がさらに拡大。「コートの需要期となる10~12月は何とか黒字にしたい」(杉浦社長)。黒字化を受けて新しい計画を発表したいという思いもあったようだ。

三陽商会といえば、バーバリー。1965年の輸入販売開始以来、同社は50年以上に渡って英バーバリーと蜜月関係を築いてきた。その関係に終止符を打ったのは、2015年夏。バーバリー・ブルーレーベルとブラックレーベルはブランドコンセプトを承継し、バーバリーの名称を付けずに独自に展開。さらに英「マッキントッシュ」からライセンスを得て独自ブランド「マッキントッシュ・ロンドン」を立ち上げ、中核に据えた。

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