「上司への尊敬」を重視する若手社員の育て方 常に居場所を求める彼らの特性を見極めよう

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その「つくし世代」に、「失敗を恐れるな」と言っても通用しません。チャレンジはしても失敗しないよう、工夫させる必要があるでしょう。もちろん、すべて若手に迎合しろというわけではありません。なぜ、彼らがそう考え、行動するのかという因果関係も含めて理解し、かつての若手と比較して「変わったこと」と「変わらないこと」を見極める。そのうえで、若手と一緒に新しい価値観を作ることが求められているのではないでしょうか。

今の若手世代は、上司と部下との関係であっても、「上司だから従う」のではなく、「人間と人間」としての関係性を求めるようです。そのため、上司を「人として尊敬できるかどうか」が仕事上のモチベーションにも大きく影響します。言い換えれば、しっかりとした関係性を築けたときには、大いに期待に応えてくれるとも言えそうです。

若手にとって、仕事の報酬はおカネでも出世でもない

若手育成は自社の変革と成長の源泉です。では、彼らを育成するうえで、われわれリーダーは何を考え、実行すれば良いでしょうか。

若手社員の研修を通じて感じるのは、彼らは会社のためや業績のために働くわけではないということです。ですが、「尊敬し、信頼する○○さんのため」なら、つくしてくれる。そこに自分の居場所ができるからです。もちろん、相手が自分につくすことも求めます。と言っても、出世や昇級を求めるわけではありません。

たとえば、「いつもデスク周りがきちんと整理されているね」というような一言です。その何気ない「一言」から「そんなに細かいところまで見てくれているのか」「いつも見守ってくれているんだ」という安心感を得られるからでしょう。

今の若手世代は、学生時代にアルバイトよりもボランティアを好んだような人たちです。ボランティアでは、自分ができることを相手に還元すると、おカネではなく「ありがとう」という言葉が返ってきます。「ありがとう」と言われることで「自分が必要とされている」「居場所がある」と確認できる。それこそが、彼らにとっての最大の報酬です。

いつも別室に居て、中間管理職から部下に関する報告を受けるだけのリーダーでは「君を見守っている」「ここに居場所がある」と伝えることなどできません。やるべきことは、若手一人ひとりを理解し、その人をどう活かすか、どうしたら輝くのかを、上司が真剣に考えること。もはや、「目標を何%達成したか」という評価は通用しません。もっと真剣に「人」に着目する必要があります。と同時に、組織もフラットになっていく必要があります。

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