エディーが去った日本ラグビーに何が必要か ジョーンズ前日本代表HCが語る勝利の組織論

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

これらは経験から身に付いたものだ。20年以上コーチをしている経験だけでなく、ほかのコーチのやり方も見て学んできた。また、本もたくさん読む。伝記やリーダーシップやマネジメントについての本からつねに学んで、指導に生かしている。

そうなったきっかけは、2013年に脳梗塞を起こしたことだと思う。その後、人間として少し成長したかもしれない。それまでは自分の立場だけ、自分だけの視点で人を判断していた。今ほど丁寧に人を見ていなかったと思う。今は完全に回復しているが、脳梗塞を患ってから、精神的により成長したと思っているよ。

「結果」を出すために、何が大切なのか

――一人ひとりの個性を把握したうえで、チームを機能させ、実力以上の力を引き出すために大切なことは?

本には私が実践しているさまざまな方法を書いたが、その中でひとつ挙げるなら、チームや組織を作る際に、リーダーにふさわしい人を見つけることだ。日本代表の場合に当てはめると、五郎丸や立川、堀江などがそうだ。彼らは非常に協力的だったので、チーム全体にいい影響を与えてくれた。こういう人材を見つけ、ほかのメンバーがそれについてくるようにするといいと思った。

――「ハードワーク」をどう定義していますか

『ハードワーク 勝つためのマインド・セッティング』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

私の言う「ハードワーク」とは、ただがむしゃらにやるという意味ではない。「100%の努力を行うこと」と「今よりよくなろうとする意識を持つこと」が大事なんだ。

いくら頑張っても結果が出ない人は、「今よりよくなろう」という意識が欠けている。努力は肉体的なものと精神的なものの両方があって初めて成果が出るものだ。

何かを成し遂げたいのなら、自分自身やチームにとって最良の方法を見つける勇気を持つこと、そしてその方法を実践するために100%の力を出すことが大切だ。

杉山 直子 通訳・翻訳家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

すぎやま なおこ / Naoko Sugiyama

東京外国語大学卒。エディー・ジョーンズ著『ハードワーク 勝つためのマインド・セッティング』(講談社)にて通訳・翻訳を担当。ジョーンズ氏が登場した三越伊勢丹グループの広告『this is japan.』(2016年)で、通訳・コーディネーターを担当。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事