なぜ「安倍トラ会談」に娘が同席したのか 高まる愛娘イヴァンカ氏の存在感
ドナルド・トランプ次期米大統領と、彼の一族が運営する事業との利益相反の可能性が、再び浮上した。11月17日の夜に配布された写真には、トランプ氏と安倍晋三首相との会談にトランプ氏の娘のイヴァンカ氏が同席していたことが示されていたのだ。
トランプ氏の初めての海外首脳との会談となったこの日、報道関係者は出席を認められず、話し合いの内容に関する文書も配布されなかった。報道カメラマンも撮影を認められなかったが、写真が一枚配布された。その写真にはイヴァンカ・トランプ氏の夫であるクシュナー氏も、少なくとも会談の一部には同席していたことが示されていた。
安倍首相は会談の後、トランプ氏と「率直な話」ができたと述べた。首相は会談での同席者や会談の内容については、詳細を明らかにしなかった
ジュエリーブランドも展開
イヴァンカ氏は次期大統領の家族の中で、父親の事業を運営する責任者の一人に任命されるだろう。トランプ氏の事業には、中南米や欧州、北米に展開するホテルチェーンなどがある。
現在イヴァンカ氏は、トランプ氏が経営する不動産開発会社「トランプ・オーガニゼーション」の開発・買収担当ヴァイスプレジデントだ。同社のウェブサイトによれば、彼女が「主に注力しているのは、トランプ・ホテルのブランドを世界市場に展開すること」だという。
彼女は自身の事業として、宝飾品の「イヴァンカ・トランプ・ファインジュエリー」も所有している。トランプ・オーガニゼーションは、イヴァンカ氏を「今日最も評価され、最も影響力のある若手女性実業家の一人」と紹介する。
ニューヨーク・タイムズはトランプ氏の政権移行チームに対して、安倍首相との会談へのイヴァンカ氏の同席許可について質問をした。その後、氏名は公表できないとする一家に近い人物から、「イヴァンカ・トランプは、将来はこのような会談に同席しないだろう」との遠回しなコメントを得た。