「貧困と無縁」な母子家庭ゆえの苦悩もある

「キャリア系シングル母」3人の壮絶なる闘い

独身のお姉さんの存在も大きな助けになりました。お姉さんは「(娘を)一緒に育てよう」と、サポートを申し出てくれたのです。

そこで、新宿区内に中古マンションを購入し、姉、娘との3人暮らしをスタートさせました。「いきなり子育てが人生に組み込まれた姉は、最初こそ戸惑うこともあったと思いますが、今はすっかり板に付いています」(同)。

「娘と一緒に過ごすため」、転職を決意

香奈さんの働き方にも変化がありました。離婚後、転勤を言い渡された香奈さんですが、転勤先ではさらに娘と一緒にいられる時間が減りそうだと感じ、思い切って退職。そして、日曜日が定休の別の美容室に再就職することにしました。

今、香奈さんがつくづく感じるのは、手に職があってよかったということです。「もし私がもともと専業主婦だったら、今のような暮らしはできていません。こうして働くという考えにすら及ばなかったと思います」。そうしみじみと語っていました。

次の百合さんのケースは、私たちが長年抱えてきたシングルマザーへのイメージを大きく覆す1例です。

■百合さん(仮名・45歳)の場合
・子ども:17歳の息子と16歳の娘
・最終学歴:四年制大学卒
・職業:人材サービス会社の管理職
・年収:800万円台

 

人材会社の管理職を務める百合さんが、5年前に離婚したきっかけは、夫との価値観の不一致。大好きな仕事を続けたい百合さんと、家のことをしてほしい夫の間ですれ違いが続いたのです。

離婚成立後、百合さんが最も辛いと感じたのは、配偶者と別れたことそれ自体よりも、シングルマザーになった自分に対する世間の凝り固まった見方だったそうです。

「離婚したら子どもは不幸」って本当?

「周りから『大変ね』といわれたことに一番違和感がありました。家族のあり方は人それぞれです。仮面夫婦でいるよりも、別れた方が幸せな家庭もあるはず。子どものために離婚しないという家庭もあるでしょうが、『離婚すれば子どもは不幸になる』という考え方に、私は賛同できません」(百合さん)

「母子家庭はこういうもの」という思い込みが、知らず知らずのうちに、シングルマザーを傷つけていることもあるのです。

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