「集中力のない人」は他者とのつながりが弱い 独りで過ごさずに自分以外を頼って生きよう

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ビタミン・コネクトの不足が致命的だということをはっきりさせるために、ハーバード公衆衛生大学院のライザ・バークマン教授がおこなった研究があります。1970年代に初めて発表されたこの研究では、「社会からの孤立」が、喫煙や肥満、高血圧と並んで、早期の死亡の大きなリスク要因であることを証明したのです。

当初、専門家たちはこの発見を疑いましたが、現在では世界中で再実験によって確認され、事実とみなされるようになっています。

また、バークマンが証明するまでもなく、古代から社会的なつながりの欠如がいかにマイナスの影響をおよぼすかは、人々の間でよく知られていました。流刑をもっとも厳しい懲罰として、死刑よりも恐れていたのですから。

また、独裁者、ニコラエ・チャウシェスク時代にルーマニアの孤児院で育った子どもたちの例でも、同じような影響が報告されています。避妊が違法とされていた当時、大勢の望まれない子どもたちが孤児院に送られ、大切に育てられることも抱きしめられることもない生活を強いられました。ひと部屋に何十台ものベッドが押しこまれ、動きまわるようになった子どもは自分のベッドにしばりつけられたといいます。

のちの研究で、里親のもとで養育された子どもと比べて、これらの子どもの脳には白質という、脳細胞体をつなぐ重要な伝導路が少ないことがわかりました。

生産性アップの切り札は身近なところにあった

このように「ある」ことのメリットと「ない」ことのデメリット、どちらの側面から見ても、ビタミン・コネクトの効き目は比べようがないほど大きいものです。しかも、費用もかからず、使い果たされることもありません。そのうえ、ほかのどんな要素よりも生活を向上させてくれます。しかし、人はふだん、溝に落ちているビール瓶ほどにもつながりの大切さに気づくことなく、通りすぎていってしまいます。

優れた実績をあげている組織は、この過少評価されがちな“ビタミンC”の力をちゃんと理解しています。

たとえば、SASというソフトウェア会社では、社員に対して職場のランチタイムに配偶者や子どもを連れてくるように勧めています。米国のアトランタにある住宅供給公社では、オフィスのパーティションを低くして従業員がお互いをよく見えるようにしたところ、やる気と生産性が大きく上がりました。ハーバード大学の薬学部では、よりつながりを重視した取り組みをおこなったところ、うつ症状や自殺が目に見えて減少しました。

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