古いiPhoneを「下取り」に出すのは得か、損か 注意!キャリアの下取り額は相場より安い

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裏技的に査定額をアップする方法もある。それが、SIMロックの解除だ。iPhoneは、SIMロックを解除すると、アップルストアなどで購入したSIMフリー版と、挙動がほぼ同じになる。3キャリアとも販売しているのは同一のハードで、基本的にはSIMロックの有無だけが大きな違いだからだ。そのため、SIMロックを解除してから売ると、SIMフリー版と見なされ、買い取り価格が上がる場合がある。SIMフリーであれば、売り先が3キャリアのユーザーへと広がり、海外に売却することもできるからだ。

先に挙げたじゃんぱらでも、そのような対応をしており、SIMロック解除済みのiPhoneのほうが、買い取り価格が高くなる傾向がある。iPhone 6s、64GBの例で比較すると、ドコモ版が上限3万8000円なのに対し、SIMフリー版は4万3000円と、5000円ほど買い取り額がアップする。SIMロック解除可能なiPhoneはiPhone 6s以降に限定されるが、手続きはウェブ上で簡単に行えるうえに、ウェブ経由なら手数料もかからない。ちょっとした手間をかけるだけで買い取り額が上がるため、これを見逃すのはもったいない。

3. 不正品をつかまないためのIMEIチェック

各通信事業者とも、IMEIでネットワーク利用制限を判定するサイトを用意している(写真はドコモのもの)

売却時以上に気をつけたいのが、中古のiPhoneを購入する場合だ。スマホは比較的高額で売却でき、キャリアで買うと割賦を簡単に組めるため、端末の代金を踏み倒す犯罪も起きている。一方で対策も進んでおり、不正な端末が流通しないよう、キャリア側で通信機能にロックをかけることもできる。このような方法で通信ができなくなった端末のことを、「赤ロム」などと呼ぶ。

中古店では買い取りの際の審査を比較的厳格にやっており、赤ロムが紛れ込むケースは少ない。とはいえ、何らかの事情で購入後に赤ロムになってしまうこともあるが、中古店は動作保証の一環として端末を交換してくれるところがほとんどのため、安心して購入できる。より注意したいのが、オークションなどで直接個人からiPhoneを購入する場合だ。

このようなときに活用したいのが、IMEIと呼ばれる端末の個体識別番号。各通信事業者は、この番号で、端末の代金が支払い済みかそうでないかを、確認できる仕組みを用意している。中古端末を安心して買えるようにするためだ。

オークションなどで端末を購入する場合は、事前に販売主からIMEIを聞き、該当する通信事業者のサイトでその番号を入力すればいい。ドコモauソフトバンクのサイトでIMEIを入力するだけと手順もシンプルだ。

検索の結果、「〇」と出ていれば、代金は支払い済みのため安心して購入できる。「×」のものに手を出すのはNG。通信機能が使えないおそれがあるためだ。悩ましいのが「△」で、割賦の支払いが終わっていない場合などにつくことがある。前の持ち主がそのまま割賦を踏み倒す可能性がないともかぎらないため、万全を期すなら、このような端末にも手を出さないようにしたい。

石野 純也 ケータイジャーナリスト

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いしの じゅんや / Junya Ishino

大学卒業後、出版社の宝島社に入社。IT関連の雑誌、書籍を編集する部署で、数々のケータイ関連誌を立ち上げる。独立後は、ジャーナリスト/ライターとして、モバイルに関連した幅広い企業を取材。ウェブサイトや雑誌を中心に、執筆活動を行う。ネットワークから端末、コンテンツまで、モバイルに関する全レイヤーをカバーする。主な著書は『ケータイチルドレン』(ソフトバンク)、『モバゲータウンがすごい理由』(マイナビ)。iPhone、スマートフォン関連の解説書なども、多数手掛けている。

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