業務用の化学品を製造しているため、一般には知名度が低いニイタカながら、着実に事業規模を伸ばしている。化学製品は原材料価格の変動によって、収益が変動しやすいが、売上高は5年前の115億円から2割以上拡大している。
フードビジネス向けに事業を集中させるのがニイタカの方針だ。単なる製造にとどまらず、顧客ニーズを吸い上げた企画から衛生管理サポートまで、一貫したサービスを提供している。外食企業という品質や価格面の要求が厳しい顧客に向き合い、真摯にニーズに応えてきたことで、ノウハウを培いながら事業拡大を続けている。
ニイタカもまた人材育成に熱心だ。通信教育も活用した専門教育と、社会人としての基盤を作る人材教育を施した上で、現場でじっくりと経験を積ませて社員を育てている。腰を据えた教育体制で社員を丁寧に育成するだけでなく待遇面でも大事にしている。平均給与は763万円(2016年5月期実績)と、メーカーとしてはかなり高水準である。ちなみに、総合化学メーカーの東ソーは755万円、昭和電工695万円で、両社よりも高い。
勤続年数10年以上の社員アンケートでは、会社に対して満足している点として、「待遇がよい」「給与が大手企業水準」という声が多い。
知名度の低い優良企業こそ育成熱心
筆者が東京都江東区の本社を訪問した際、蔵王産業の新卒採用担当者は、知名度が低いために学生の応募を集めることが大変だと話していた。応募が少ないだけでなく、応募者の質を高めるのにも苦労しており、「応募しておきながら、何の連絡もなく面接に来ない」学生までいるという。
人材育成に積極的な優良企業でも、知名度が低いために採用で苦労している。これは、知名度の低い優良企業ならば、応募するライバルが少ないということだ。採用に苦労する会社ほど、入ってきた人材の育成・教育にも積極的で、待遇を厚くする傾向がある。就活では知名度の高い人気企業だけでなく、知名度の低い企業にも注目していただきたい。
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