1980年代後半と似る、バブル相場のリズム感

山崎 元が読む、ちょっと先のマーケット

大規模な金融緩和から始まった相場が、一回の調整で終わるとは考えにくい。

1980年代後半の株価の推移を一言にまとまると、「時々急落をはさみながら、じわじわ続く上昇相場」であった。当時は、潤沢にあふれる投資資金が、他に行き場がなくて株式市場に入って来たのだが、現在も似た構図にある。国内債券の低利回りにたまりかねて公的年金を含む年金基金などが、内外の株式への投資比率を上げるような動きも背景にはある。

1980年当時の株式売買の主体が国内機関投資家であった一方、近年は外国人投資家の占める比率が上がって、動きがよりワイルドになっているという差はある。しかし、基本的な相場のリズム感は同じようなものになっていくのではないだろうか。時々ヒヤリとさせるような暴落を見せながら、じわじわ回復して、気がつくと新高値を取っているというような展開だ。

単純に「右上肩がり」を信じていればいいというものではないが、経済を巡る基本的な構図を考えると、急落場面で「もう終わりだ!」とばかりに投資から全面撤退してしまうと、後悔することが多くなるはずだ。

ただし、株価のレベルが上がるほどに、暴落の規模が大きくなり、市場のボラティリティが増してくるので、投資家は次の急落に耐えうるリスクの量を常に意識しておくべきだ。端的にいって、借金による投資(信用取引を含む)はお勧めしない。

「ねじれ解消」は、大きな材料にならず

7月4日に公示された参議院選挙だが、選挙戦のムードは極めて低調だ。民主党は多くの有権者を怒らせたまま縮小に歯止めが掛かる気配がないし、日本維新の会も、橋下徹共同代表の一連の発言問題で目下失速した状態にある。また、立候補者諸氏には申し訳ないが、今回の参院選では、世間の耳目を大いに集めるような有名人候補者が不在だ。

選挙戦が低調なまま日々が過ぎて、投票率が下がり、関心が集まるのが経済、ということになると、自民党が大勝できそうだ。低調な選挙戦は、与党側の作戦範囲内だと推測するがいかがだろうか。

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