1980年代後半と似る、バブル相場のリズム感 山崎 元が読む、ちょっと先のマーケット

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目下のところ、興味を惹くのは、参院選大勝後に安倍政権が打ち出す政策と、強大な与党となる自民党の内部構造の変化だ。デフレ脱却をより確実にするためには、消費税率引き上げを先送りする手があるし、参院選をより確実に大勝するためには、これを選挙期間中に発表する手がある。

強い政権=改革が必ず起きる、という期待から卒業せよ

しかし、安倍首相の陣営としては、そこまでの手を使わなくても参院選は勝てると見るだろうし、その後の党内の力学を考えると、財務省を敵陣営の味方に追いやらない方が得策だと考えるのではないだろうか。つまり、消費税率は予定通り引き上げられることになるのではないか。

TPP(環太平洋経済連携協定)は、中国抜きの経済協定を、アメリカを入れて太平洋の国々と作ることがポイントであり、外交的・地政学的な配慮から加入を急ぐことになるだろう。だが、これはもともと既定路線だ。また、日本維新の会が失速したことで、憲法96条改正を取り上げにくくなったかも知れないが、こちらは、経済にはあまり関係ない。

では、規制緩和政策の「大玉」とされる、「医療」、「農業」、「雇用」はどうか。そもそもこれまで動かなかった理由が、政治的な勢力図よりも、官僚が動くか否かにあるわけだから、大きくは進展しないと見るのが妥当だろう。また、年金をはじめとする社会保障政策は、国民の関心が高いところだが、これも官僚の抵抗に加えて、公的年金の運用が先般の株高で史上最高の運用益が出たことも悪く働いて、抜本的な制度改革には至らないのではないかと予想する。マクロ経済スライドを手直しして、運用をより積極的にする(悪くすると、金融業者のカモにもなりそうだが)という程度でお茶を濁すのではないか。

いわゆる「成長戦略」で、市場がテーマとして取り上げられるものは出て来そうにない。参院選での「ねじれ」解消は、案外、何ももたらさないのではないかと予想する。世の中が変わらないのは、政権の強弱といった政治の問題ではなく、官僚組織のマネジメントの問題だ。官僚制度を手直しせずとも、強い政権が出来たら何か「改革」と呼べるような変化がおこるのではないかといった甘い期待を抱くのは、そろそろ卒業すべきだろう。

もっとも、成長の種は本来民間が見つけて育てるべきものだ。もちろん、大規模な金融緩和が続くうちに、これが将来の「バブルの種」に変質する可能性もあるが、しばらくの間は、次の楽しみな「種」の登場を見逃さないように目を見開いていよう。

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