「フルスペック選挙」は自爆行為なのにそれもわからず、10月4日の自民党総裁選挙は自民党と日本政治を滅ぼすだけだ

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19日、10月4日の自民党総裁選挙に向け出馬会見した高市早苗氏。市場の一部は「高市首相」を期待するが……(写真:つのだよしお/アフロ)

自民党総裁選挙(10月4日)である。

大事なことは以下の6つだ。

「高市氏の勝利は100%ない」と言える4つの理由

まず第1に、高市早苗氏の勝利は100%ない。市場の関心は、「高市氏かそれ以外か」がすべてのようだ。金融政策、財政政策が、高市氏の場合だけ大きく異なると予想されるからだ。しかし、その可能性はゼロだ。

理由は以下の4つだ。

1:仲間の多くが、前回の総裁選後の2回の選挙で多く落選している。

2:高市氏では、連立を組む相手がない。参政党は連立に入ることはないし、入ったとしても、衆議院は3人しか議員がいないから、まったく足りない。「有志の会」の4人よりも少ない。

3:高市氏なら、参政党に流れた保守票を取り返せると素人は思っているようだが、まったく逆である。参政党に流れた票は、誰が総裁になっても決して取り返せないし、高市氏であれば、むしろ参政党と主張が同じになり、同じなら、高市氏にする理由はない。

現首相の石破茂氏が左すぎて、参議院選挙で、参政党に振れた票はある。この票は、次の衆議院選挙で戻ってくるだろうが、第一に、その戻ってくる票の数自体は多くない。第二に、、むしろ高市氏でなく穏健な中道が総裁になった方が戻ってきやすい。つまり、高市氏の場合、いちばん票が減る。

4:最も重要なのは、安倍晋三元首相は良くも悪くも特殊で特別で例外だった、ということだ。安倍陣営は、そもそも政治に無関心だったネットの流動的な群衆を政治、選挙に向かわせるのに成功した。しかし、彼らは「アベノミクス、リフレ政策」により動員されたのち、その後は、自民党という組織政党に戻ってくることはない流動の民であり、群衆である。

現状は参政党に群がっているが、次は別の群がる対象を見つけ、その次には、政治に飽きてしまうだろう。政治に関する組織としての機能を一応持っている政党(参政党は、本質的には政治とは別物の組織)には戻ってこないだろう。国民民主にももちろん来ないのであり、自民にはまかり間違っても来ない。だから、高市氏で、これらの群衆浮動票を取り戻すことは何があっても不可能だ。

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