学歴不安は、「明確化すること」で解消できる 資格を取れば解消できるわけではない

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明確な目指すべき姿を自分の中でイメージし、努力の方向性を明確化し、努力自体を分散させないためにも、漠然とした不安を具体化することが大切です。

学歴がないということで、具体的にどんな分野がご自身にとって欠けているのか、具体的に何を強化するべきなのかを考えることが最初のステップです。

そうでないと、「何となく不安だ→何となくハクがつききそうな資格を取得しよう」という思考回路になってしまい、資格を取得しても不安の対象が漠然としているがゆえに根本的な解決にならず、また不安になりほかの資格取得に走る、といった循環になっているのではないでしょうか。

つまりT.N.さんが行っていることが、「短期的な不安解消」にはなっていても、「根本的な解決策」とはなりえていないのです。

そもそも資格を取得すれば、それで人生が好転するわけではありません。あくまでも、資格を「活用」することでしか資格は効果を発揮しないのです。

資格を使って何をするか、何のために資格を取得するのかといった明確なビジョンがあって初めて、資格取得をする意味が生まれるのです。試験に受かること自体に何の意味もありません。ですから、T.N.さんの不安も解消されないのです。

学歴をどのようにして埋め合わせるのか

したがって、まずはT.N.さんとして学歴がないことをどのようにして埋め合わせるのか、といった明確なビジョンを考えることです。そしてそのビジョンや考えに沿って行動をすればよいのです。その行動の結果が、たまたま資格取得であったという話であれば、それはあるべき資格取得の姿です。

冒頭で、人生の課題解決には一般解ではなく固有解が大切だと申し上げました。人生やキャリアにおいては、学生の勉強のように皆にとっての正解があるわけではありませんから、具体的な解決するべき課題を設定することが大事です。

T.N.さんが目指すべきご自身の姿を明確化され、不安解消に向けてご自身の時間とエネルギーを集中し、今よりもすばらしい人生を送られることを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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