40~50代に多い介護離職を避けるための知恵

介護保険や介護休業の基本を知っていますか

いつか来るかもしれない日に備えておいて損はありません(写真:amadank / PIXTA)

首都圏の大手メーカーに勤めていた清水暁子さん(仮名、56、当時)は2012年末、母(80、当時)が住む武蔵野市の実家へ久しぶりに寄った際、ある「異変」に気づきました。

冷蔵庫を開けてみると、そこに入っていたのは食べきれない量のトマト。母に聞くと「トマトを買った記憶がない」。通常の会話ではわかりにくかったのですが、これは認知症の初期症状だと気づきました。「ついに介護の時が来てしまったのね」。独身の暁子さんの身内は母だけ。ほかに頼れる人もおらず、暁子さんは勤めていた仕事を辞め、杉並区から武蔵野市の実家に移り、母と同居して面倒を見る決断をしました。

75歳以上は、4人に1人が要介護者

ある日、何らかのきっかけで親や家族が要介護になってしまうケースは、誰しも起こりうる話です。厚生労働省によると、その介護により離・転職した雇用者数は、2007年10月~2012年9月の5年間で約50万人に上っています。この半分以上が40~59歳という、管理職やリーダーとなる世代です。

内閣府が発表した「平成28年版高齢者白書」は、65歳以上74歳以下と75歳以上の要介護者等の認定割合を明らかにしています。前者の要介護者数はその世代人口のわずか3%。後者の割合はなんと23.3%です。75歳以上は、4人に1人が要介護者なのです。両親の長寿はとても喜ばしいことですが、私たちは日常生活を一変させるかもしれない両親の介護問題と実は隣り合わせで生きています。

暁子さんは、もともと将来は母の介護が必要になるだろうと日頃から備えていました。それでも、母を介護しながらの同居は苦労が絶えませんでした。その後、介護保険の利用を決め、ケアマネジャーの勧めでショートステイを利用するようになり、たまたまその併設の入所施設に空きが出たため入所できました。

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