金利上昇で騒ぐ「頭の悪い」人たち 髙橋洋一が語る バーナンキの言葉

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髙橋 洋一(たかはし・よういち)
株式会社政策工房代表取締役会長、嘉悦大学教授。 1955年、東京都生まれ。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。 1980年、大蔵省(現・財務省)入省。プリンストン大学客員研究員時代、のちに連邦準備制度理事会(FRB)議長となるベン・バーナンキ教授の薫陶を受ける。2008年、退官。 著書に、監訳・解説を行なった『リフレが正しい。―FRB議長ベン・バーナンキの言葉』のほか、『日本経済の真相』(以上、中経出版)、『アベノミクスで日本経済大躍進がやってくる』(講談社)など多数。

――株価で金融政策の成功・失敗を語ること自体がおかしいということですね。

経済成長と株価の関係を見た場合、一般に株価は約1年後の経済成長を先取りします。ただし、それで100%も説明できるわけではなく、だいたい5割程度しか説明できません。株価を動かす要因は経済成長以外にもたくさんあるので、株価と経済成長が完全に連動しているわけではないのです。

もちろん経済成長していれば、株価もだいたいよくなるとは言えますが、それは確実ではない。

一方、経済成長は目標を明確にして、しかるべきオペレーションをやっていけば、ある程度実現できます。政策をやる側は、そのときにしかるべき「基準」があるわけですね。私が金融政策を語るときには、横軸に時間、縦軸にさまざまな数値をとったグラフがいつも頭の中に浮かんでいます。

ですが、株価を見ている投資家にはそういう「基準」がありません。彼らは目の前のチャートを見ているわけですね。チャートで考えていると、上がっているときは青天井に思えますし、下がっているときは奈落の底に落ちていくように思えるのです。

おそらく一般の人もそういう基準や原則がないから、どんな話にも飛びつくし、どんな話にも振り回される。チャートというのはそういうものです。

もちろん日経平均1万5000円台など、高値でつかまされた人は大変だとは思いますが、それはごく一部の人でしょう。政策をやる側からすれば、急に7000~8000円上がって一時的に3000~4000円下がったというだけの話であり、水準としては半年前、1年前と比較して上昇しているわけですし、これ自体に大きな問題があるとは見ていないはずです。

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