【三淵啓自氏・講演】仮想空間「セカンドライフ」におけるコミュニティマーケティングの新たな可能性(その1) セカンドライフ成功のファクター4つのポイント 前編

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RoppongiBIZ*東洋経済提携セミナー
講師:三淵啓自(デジタルハリウッド大学大学院教授)
2007年12月4日(火)19:00~ 六本木アカデミーヒルズ

─ユーザー数が1,000万人を超えた、どこそこの有名企業が参入したなどという話でセカンドライフ(※1)が注目されていますが、セカンドライフがなぜ成功したかという部分については意外に知られていません。面白いから、話題になったからといいますが、話題になるにはそれなりの理由があります。セカンドライフが流行ったファクターを挙げ、今後の問題点や可能性についてお話します。─

●成功のファクター1 ゲームとの違い

 セカンドライフが流行ったファクターの1つめに、セカンドライフがゲームとは違う究極のウェブ2.0的な3次元のコンテンツであることが挙げられます。
 ゲームは基本的にシナリオや世界観はすべて提供されるものですが、セカンドライフはその中の住人が作り上げていくコンテンツです。これは、すごく難しいことで、例えばマイクロソフトが同じようなメタバース(※2)を作って、「みなさん自由に好きなものを作ってください、どんどん大きくしていきましょう」と呼びかけても、自分の時間を使って、お金ももらわずに作る人が増えるかというとまずそうはなりません。リンデン社がなぜメタバースの創成期に成功したかをひも解いていくと、実は究極のコミュニティマーケティングをやってきた結果なのです。

 リンデン社はシミュレーションゲーム「シムアース」の開発担当者をコミュニティの専門家としてヴァイスプレジデントに呼び入れました。その方は毎日セカンドライフに入って住民の苦情を聞いていました。
 セカンドライフはまずクローズアルファバージョンのときに10~20人のクリエイターに、いろいろ試作をしてもらいました。そのときにクリエイターが欲しいものをすべてヒアリングして、システムを構築したのです。
 これはコミュニティマーケティングの一環だと思いますが、商品開発をコミュニティと一緒に行った。つまり「システムができたから使ってください」という形であれば、こんなに大きく成長していなかったと言えるでしょう。これは企業の参入においてもまったく同じことが言えます。

 例えば、企業が土地を買って、店を出してただ商品を並べても人は来ません。住民が何を求めているかをしっかり見据えて、その要望に応えて商品を開発するというようなコミュニティマーケティングをきちんとやらないとセカンドライフの中では成功できないのです。
 また、セカンドライフというのは、アバター(※3)になって、行きたい場所のURLを入力して、目的地に行く、という経緯がウェブの検索よりも難しく、ようやくたどり着いたところで「なんだこんなものか」というようなものであれば、ウェブよりもネガティブな影響を与えやすいと言えます。

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