近年のアクティブラーニングという、生徒がより自発的に勉強できる、双方向型の授業手法の注目を浴びるようになりましたが、その中で面白いデータが世に知られるようになりました。それは、学習定着率の高低を表した「学習ピラミッド」というデータです。これは、どのような手法を使うと学習の定着率が高くなるのかということを図に示したものです。
驚くことに、学習定着率が90%と言われているものが、「他人に教える」ということなのです。
もちろん、プロの先生が講義をすれば、講義形態であっても学習定着率はある程度高くなるでしょう。しかし、過去に「教えることによって自分が学ぶ」という経験をした方は、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
教える立場になると、視点が変わり、また教えなければならないという意識の変容から、頭が活性化するのか。はっきりと証明できるほどの調査や研究はありませんが、とにかく効果がある方法であることは間違いないようです。
効果的な3つの方法
さて、以上のようなことから、大川さんの場合は次のような3つの方法を試されてみてはいかがでしょうか。
1.弟の勉強を教える
頻繁に兄弟喧嘩が起こるような状況でしたら難しいのですが、下の子の勉強の面倒を見るということをさせるのです。わからない問題が発生したら教えるという、その場限りの指導で構いません。中学生が教える内容が小学校のものということで効果を懸念されるかもしれませんが、まずは試してみてください。その効果に驚くことでしょう。
2.学校の勉強内容を話してもらう
たとえば、歴史なら、どのような流れになっているのか、どのような内容なのかなど“講義”してもらうというものです。
「奈良時代ってどういう時代なの?」「その織田信長という人は何をやった人なの?」などです。理科なら「イオンって何なの?」「元素ってどんな種類があるの?」といった具合です。
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