「トランプ化した米国」を理解するための6冊 大国はなぜ分裂してしまったのか

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「カリフォルニア州立大学バークレー校の著名な社会学者ホックシールドは左派の女性だが、彼女の使命は共感であり論争ではない。ホックシールドは、題名通り『Strangers(見知らぬ人)』となってしまった──変わらないか少なくなった賃金、急速な人口構成の変化、そして彼らの信仰や愛国心をあざけるリベラル主義文化のせいで社会から阻害されている──ティーパーティの不満を真摯に受け止める。登場人物に対する著者の愛情は明白だ。

しかしホックシールドが目にした憤りは、沼地の汚染物質と同じくらい有毒で、政治全般にはびこっている。この本の登場人物たちを1つにするのは、他人が『列に割り込んできた』、つまり、政府は失業手当を受けている人々を支援している、という強い思いだ。『労働者からカネを奪って、怠けている人にそれを渡している』。所得が増えているのは上層階級なのに、怒りは下層に向いてるのである」

白人労働者階級の実像

『HILLBILLY ELEGY: A Memoir of a Family and Culture in Crisis』(未訳)J・D・ヴァンス著(ハーパー)

長い間ベストセラーとなっているヴァンスの伝記には、オハイオ州のかつて鉄鋼の町として栄えた場所で育った彼の経験が綴られている。

タイムズの書評で、評論家のジェニファー・シニアはこう書いた。

「有権者離れに関する調査が至急必要だとこんなにも強く感じたことはいまだかつてない。われわれはテレビに出演しているお世辞ばかりのパーソナリティたちからは決してこうした情報を得られないだろう。そこにヴァンスがやってきて、トランプの当選を助けた白人労働者階級に対する、思いやりおよび洞察力に満ちた社会学的分析を提供してくれた。

ヴァンスは思慮に富んだ調査と、自身の経験を結びつけ、文明化されていない選挙に関する文明化されたリファレンスガイドを、意図せず作ってくれた。それも民主党支持者にも、共和党支持者にもわかりやすい言葉を使って」

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