[ロイター 11月10日] - 一見すると、かつて来た道の再現のように見える。来る1月、共和党がホワイトハウスと議会両院を支配し、そしてすぐに最高裁もそうなるだろう、ちょうど2002年の中間選挙の後の4年間がそうであったように。では前回と違うかもしれない点は何だろうか。
今回は多くのことが違う。これはあの時の栄光に包まれた古き良き共和党政権というわけでもないのだ。前回の主な貢献は、イラクでの戦争、緩い金融規制、格差が今まで最も大きかった1929年の恐慌直前の水準に近付いていたというのに富裕層向けに行った歪んだ減税であった。そして、2008年にはブッシュ政権下での緩い規制と経済的不平等が災いし、大恐慌以後最悪の暴落と、1930年代以後もっとも大きな景気後退を引き起こした。
ブッシュは移民制度改革を支持した
だが今はやる思いで出番を待っている共和党政権は、すぐにアメリカ人に古き良きブッシュ時代を懐かしませることだろう。ジョージ・W・ブッシュ大統領の全ての欠点にも関わらず、彼は白人至上主義者を支持するようなメッセージを出したりはしなかった。移民制度改革を支持したことから明らかなように、共和党内で白人至上主義のような信条の地位を高めようともしなかった。
ところが今回の選挙で大統領に選出されたドナルド・トランプは、我々がジョージ・ウォレス以後の大統領候補からは聞いたことが無かったほどあからさまな白人至上主義者の言い分を口にしながら権力の座についた。
トランプが共和党エリートたちの中でそれほど極端であるというわけでもない。彼が立候補を宣言するずっと前、多数の共和党の州知事と州議員が選挙人名簿の浄化を通じてマイノリティの投票を抑圧しようと最大限の努力をしていた。新しい法は特定の種類の選挙人IDを必要とし、以前のより便利な投票の機会を奪ったのだ。
ブッシュは10年前、不法移民を合法化しようとしたが、その際に共和党の仲間の説得に失敗した。