投資減税で設備投資は増えず、むしろ逆効果

「高い法人税率が、国際競争力を妨げる」は間違い

税以外の要因で投資が減少している

以上で考えたのは、一般的な法人税率の引き下げだ。これとは別に、投資減税が提案されることがある。例えば、投資税額控除は、投資の全額あるいは一部分を法人税額から控除しようとするものだ。これを行えば、投資の税引き後収益率は高まる。そして、利子控除や代替投資の効果は影響を受けない。したがって、原理的には投資が増大しうる。

ただし、現在の日本では、つぎの諸点を考慮する必要がある。

第一に、この措置を享受できるのは、法人税を負担している企業だ。しかし現在の日本では、それは全法人の27.7%でしかない(図参照)。

したがって、投資減税の効果は、限定的なものだ。もちろん、どの程度の効果があるかは、減税規模に依存する。大規模な減税を行えば効果は大きくなるが、政府が先に決定した財政再建目標に抵触する。

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