欧州式で本当に育児時短問題を解決できるか ガラパゴス化している、日本の女性活用【第5回】

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では、育児時短者がいてもうまくいっている職場はどうなのだろうか。筆者は以下の3つの特徴があると考える。

① 上司が業務量や仕事のやり方を改善

② 「お互いさま意識」の理解ある同僚たちが存在

③ 制度利用者が少ない

この3つがすべて実現している職場では問題は発生しない。制度利用者が少ない状況(③)では、①、②がなくても仕事が回ることもある。①がなくても、②の理解ある同僚が多ければ、問題は起きない。しかし、これでは、問題が出るかどうかは現場次第という面が強くなる。

ところが、最近、多くの企業で利用者が増加し、問題が噴出し始めた。仕事量は変わらず、マンパワーは減り、ほかの社員の負担はさらに増大。②のやさしい社員が多い職場でも、「同僚のやさしさ」にも限界が出てくることはある意味仕方がないことだ。さらに上司が業務量や仕事のやり方を改善しない職場では、一部社員に大きな不満が生じる危険性もある。

では、うまくいくためにはどのようにすればよいのか。現状と同じやり方を続けるのであれば「人員補充」は必須だろう。ただし、高いキャリアを持った女性の場合、簡単に補充できないケースも多い。

働き方を根本的に変えて成功した企業に学べ!

そこで、今回は働き方を根本的に変える時短勤務を前提とした仕事のやり方をご紹介したい。株式会社エス・アイは姫路に本社を置くデータエントリーやアウトソーシングなどを行う従業員数約70名の会社だ。

同社は長時間労働をよしとせず、社員が望む労働時間で働ける環境づくりを目指した社長の強い思いにより、革新的なワーク・ライフ・バランス制度を導入し、多くのメディアで取り上げられている。エス・アイの労働時間は最大で1日7.75時間、月間168時間以内を全社員に厳守させ、残業はなし。社員の平均労働時間は1日約6時間である。

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