取材したSさんは製造業で工場長まで務めた人物。雇用延長も選択できたにもかかわらず、退職を決断。ホームヘルパーの資格を取得して、介護会社に転職しました。慣れない仕事に戸惑いを感じた時期もあったようですが、現在は「ありがとう」と言われることに喜びを感じて、仕事に邁進しています。ちなみに工場長時代には「ありがとう」とユーザーの声を直接に聞くことは皆無だったとのこと。Sさんのように新たな資格を取り、その専門性を生かすキャリアチェンジを目指す人は徐々に増えています。
なかには会社勤めをやめて、開業をする人もいます。たとえば、飲食店やリサイクルショップを開店。やりたいことを突き詰めようとすると求人が見当たらないので、自分でやる、という選択になるようです。
こうしたキャリアチェンジの道を選ぶと環境も大きく変わり、収入面の不安もはらんでいますが、「楽しい」「やりがいがある」と前向きな声を継続雇用を選んだ人よりも多く聞きます。
女性も70歳まで働くことを希望している
みなさんはどちらのセカンドキャリアを選びますか? また、男性だけでなく女性も70歳まで働くことを希望している人は同じくらいいることを忘れてはいけません(厚生省の調査でも働きたい年限は男性と大差ありません)。
取材していて、子育てのために50歳まで専業主婦で「50歳で社会人デビュー、20年以上は働きたい」という女性や、パートタイムでさまざまな仕事を経験しながら生涯現役を目指したいと語る女性に出会いました。働き方の選択が柔軟で、働くことに意欲的なのが印象的でした。
ただ、男性のように長年勤めた会社の継続雇用が、70歳まで働きたい女性の受け皿になりにくいのは明らか。女性の勤務年数は男性に比べてはるかに短く、結婚・出産などのライフイベントで働くことを諦めているケースも多いからです。小泉氏の提言を実現するには、女性が70歳まで働ける仕事を増やしていく方法を考えなければいけないことは押さえておくべきでしょう。
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