「ロールモデル」という考え方が嫌い 石黒不二代・ネットイヤーグループCEOの好き嫌い(下)

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楠木:ショッピングも外食も好きではない。機能的なものを隠した家でご飯をお作りになり、ゲームをして、本を読んで、仕事をして。

石黒:ところが、ちゃんと家に仕事部屋があるのに、休日はカフェに行って仕事をしたり。人に見られていないと、仕事ができないんです。

楠木:それは特異体質ですね(笑)。

石黒:うちでフラフラして、「♪ハハハハ~」とか歌いながら1日終わっちゃうので、「こんなことではいけない!」とコーヒーショップや図書館に行ったりするのです。

楠木:では、にぎやかなところが好きというわけじゃないですよね。

石黒:違いますね。図書館は静まり返っていますから。みんなが勉強しているところで、私も勉強しようみたいな感じは学生時代からあります。みんなが集まって、それぞれ自分の興味があることに、一人ひとり別々に集中している雰囲気がたまらなく好きですね。

楠木:休日ではなく、完全なオフをまとめてとる時間はおありですか? 長期間どこかにご旅行に行くとか。

石黒:シリコンバレーには年に1、2回行きますが、忙しいのでそれだけですね。

楠木:一般的なイメージで言うと、実業家のバカンスは南の島で、バスローブ羽織って、プールサイドでカクテル。それが成功者の象徴だから、そのために頑張って仕事をして、時間も確保するとか。そういうタイプではなさそうですね。

石黒:またバスローブが出てきた(笑)。シリコンバレーが好きなので、行くだけで十分です。別に優雅に過ごさなくてかまいません。

アフリカに学校を作りたい

楠木:将来、今のお仕事をリタイアするときが来たとして、プランはおありですか。

石黒:シリコンバレーもいいですよね。あまり遊び場はないけれど、青い空があり、リラックスできる。グダ~とできる感じが、いいですね。しかし、なんらかの仕事をしていると思いますよ。健康である限りは。

それと、私は意外とまじめなので、アフリカに行って学校を作って、優秀な子どもたちを発掘したいという思いがずっとあるんですよね。それで、その子を教育してお国に返す。昔、世銀の役員をやっていた教授がいらして、ノーベル経済学賞を先進国の人がとるのはあたりまえ。しかし、途上国でこれをとるとインパクトが違うとおっしゃっていたんです。非常にうなずけたんです。でもこれは、キャリアプランとかいう感じじゃないですね。

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