日立造船、「ゴミを電気に変える」で攻勢 造船出身でない社長に聞く「世界一」構想

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――谷所社長は造船事業ではなく、先端分野の出身。「環境の日立造船」を将来、どう変えていきますか。

基本的に造船の仕事はしたことがない。会社に入って前半の20年は機械、プラント関係の電気制御の仕事をしていた。逆にいうと、船以外の機械はほとんどタッチしている。もちろんプラントで中東の造水とか発電もやってきた。ずっとどれかを担当していた人よりは、会社の製品は広く知っている。

その後、関係会社へ6年間出ていた。日立造船もこれから精密な機器をやらないといけない、有機ELに進出する、といって10数年前に買収した会社があるのですよ。その時に交渉役をやっていたので、じゃあと自分で手を挙げて1人で乗り込んでいった。その会社でやってきたことが、今の太陽電池や有機EL関連の仕事につながっていった。

一言では言えない会社になる

日立造船では、事業を行っている本部は3つしかない。環境・エネルギー・プラントが一番大きく、その次が機械・インフラ。

3つめの精密機械は小さい本部だが、太陽電池であれ有機ELであれ、まだまだ伸びる余地がある。(社長就任前は)そこを担当していた。既存の製品を海外に展開していくだけでは、なかなか伸ばしきれない。だから新製品をどんどん精密機械のところに入れていって、新たな3本目、4本目の事業本部の礎を作っていく。それが私の役割、ちょうどそうした時期を担ったのではないかと思っている。

日立造船は一言では言えない会社になると思う。「環境の日立造船」であり、「水の日立造船」であり、「プロセス機器の日立造船」と。世界ナンバーワンになれるようなものをいっぱい立てていかないと。

次の中計では、ぜひ機能材料本部とかいったものを立ちあげていく礎を築きたいと思っている。トチュウエラストマー、カーボンナノチューブ、色素増感太陽電池のシート、すでにやっている分離膜、脱硝の触媒。これらは付加価値をつけた機能材料であり、材料で売るものだ。こういうものを将来、ひとつの柱にしたい。

それらを束ねて「何の日立造船」と呼べばいいか。それは、ぼちぼち考えます。

(撮影:ヒラオカスタジオ)

水落 隆博 東洋経済 記者

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みずおち たかひろ / Takahiro Mizuochi

地銀、ノンバンク、リース業界などを担当

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