日立造船が東芝や住友電気工業などと共同で洋上風力発電を事業化へ
日立造船が東芝や住友電気工業、JFEスチールなどと組んで、洋上風力発電事業に乗り出す。
参加するのは幹事会社である日立造船のほか、東芝、住友電気工業、JFEスチール、東亜建設工業、東洋建設および日本気象協会の6社1協会。共同で「地域振興型アクア・ウィンド事業化研究会」を立ち上げ、日立造船が海洋構造物、東芝が風車設備、JFEスチールは鋼材、住友電工は海底送電ケーブルなど各社の技術力や知識を持ち寄り、実現に向けた調査・検討を行っていく。
研究会は、今年度内に有力と考えられるフィールドを選定して風況観測を実施、来年度には、風況観測結果、建設費・運営費の試算結果に基づいた経済性評価を行い、事業化の可否を判断する予定だ。
3~5年をかけて7.5メガワット未満のパイロットプラントを数カ所に建設、10年後には300メガワット(=30万キロワット)程度の洋上ウインドファームの建設を目指す。1キロワットあたり30万~45万円の費用がかかるとの前提を基に計算すると、投資額は1200億円規模となる。
研究会の検討ポイントは3点。第1に安定的に強い風が吹く風況のよい場所の有無、適した場所の調査、選定。第2に漁業権などについての地元との調整。第3に経済性、投資採算の見極め。
事業化が可能と判断した場合、別途、特別目的会社(SPC)を設立する。SPCには、研究会メンバー企業のほか、エネルギー関連企業や地元企業・団体等からの出資も募り、銀行からの借り入れも活用する。