プレステVRは、ポケGOより格段につまらない ソニーは決算が順調でも創造性に乏しい

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ソニーの「プレステVR」は「ポケモンGO」より面白くないとなぜ言えるのか(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

11月1日、ソニーが2017年3月期第2四半期決算を発表した。前日に下方修正したとおり、今期の売上高は7兆4000億円(前期比8.7%減、従来予想を据え置き)、営業利益は2700億円(前期比8.2%減、従来予想から300億円減)になる見込みだ。

黒字は定着したようにみえるソニーだが、この復調は果たして本物と言えるだろうか。とりわけ、同社が成長事業と位置付ける「ゲーム事業」の復活はどうなのだろうか。

AR(拡張現実)技術で、新たなゲームの面白さを実現させた任天堂の「ポケモンGO」が世界的な大ヒットになったことは記憶に新しい。一方でソニーは、約20年前に業務用ゲーム機(ゲームセンターで遊ぶゲーム機)で採用され、一時期ブームとなったVR(バーチャル・リアリティ、仮想現実)を家庭用ゲームに取り入れて、新たな可能性に挑戦しようとしている。これが、PlayStation VR(以下プレステVR)と呼ばれるものだ。

プレステVRはユニークといえるか?

往年の日本は、「電子立国」と呼ばれるほど、高い技術力をもって画期的な電子製品を世界に送り出し、世界の人々を魅了していた。ソニーも、「ウォークマン」をはじめとする人気製品を続々と世に送りだし、成長を謳歌していた時代があった。

ソニーは、往年の成功の産物であったブラウン管テレビに固執したために、窮状に陥ったと言っても過言ではない。また、対応ソフト開発に莫大なコストがかかる、あまりにも高機能なゲーム機であったPlayStation 3を発売し、見事に失敗したこともあり、業績悪化に拍車をかけた。

「技術のソニー」、「ユニークな発想をもったソニー」は、井深大氏と盛田昭夫氏の創業精神である。例えば、「ウォークマン」(1979年初代のモデル発売)は、発想がとてもユニークであり、また音楽好きにとっては、どこでも音楽を聴くことができるので、とても便利なものであった。それまでに存在しなかった電気機器であった。

では、現在のソニーの「最大の成長牽引事業」であるゲーム事業の成長に関連する、VRを活用したプレステVR(10月13日発売)は、これまでに存在しなかったものだろうか。

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