パリ女性は「男の薄毛」を官能的と捉えている 日本の男よ、"不毛"な闘いから解放されよう
社会が性によって役割を規定していたのは過去のこと。実際は性差よりも個体差の方が大きいのです。性差を対立軸とする仕掛けを作り上げることで、人間を疲弊させるのはやめるべきです。これからの時代はきっと、男女の枠を超えてセンシュアルな魅力がより尊重されるに違いありません。
力や強さを支配する男性ホルモンは、勇気が出る"パワー・ホルモン"、美しさと優しさを有する女性ホルモンは、優雅を育む"エレガンス・ホルモン"といったネーミングにするのはどうでしょう。あるいは、ニーチェのように、“アポロン・ホルモン”とか“ディオニソス・ホルモン”とすることだって考えられます。男・女と決めつけるよりは、余程よいと思います。
これは、社会が性差を超えて魅力的であろうとすることとシンクロしてゆくためのチャレンジングな提案です。男であろうが女であろうが、どちらも生きていくのに必要なものの名称が、どちらかに占有されている枠組みを取り除いていく必要があると思うのです。
――話が脇道に外れたようです。日本男性にとっては、baldyや薄毛がネガティブなイメージであることは否めません。必死になって抵抗し、せめて現状を維持したいという姿勢は痛々しいほどです。
「ハゲ!」と侮辱する日本女性にも責任はある
ただ、これは男性だけで完結する問題ではありません。日本女性は、飲んで酔いが回ると遠慮会釈なく「あの課長のハゲが!」と罵倒することがあります。男がbaldyを恐れ、黒髪にこだわって“子どものままでいたい”と思ってしまう駄々っ子だとすれば、女はいつまでも20代のままでいたいと枝にぶら下がって、地上の現実を見ようとしないナマケモノのようなものです。文明開化に浮かれる世相を批判した夏目漱石『三四郎』の広田先生ではありませんが、これでは国も滅びますね。
最後に、医者の端くれとして申しますと、眉毛やまつ毛も抜けてきたり、ごそっと一時に髪が抜けるといったときは、AGAとは異なる病気や、合併症などが考えられます。一度、専門医へ行くのがよいでしょう。また、何を言われても薄毛が気になる貴方は、拙著『生涯男性現役』の第二章、「でもやっぱり髪がほしい、という方のためのケア情報」をご覧いただき、最先端医療や専門クリニックへの受診をお勧めします。
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