民間出身初の女性校長になった、剛腕マザー リクルートのトップ営業、会社社長、そしてどん底も経験

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こうした工夫により、学校は確実に変わりつつあるようだ。

校長充ての手紙を投函できる公聴ポストも設置した

校長になり、多くの子どもと触れ合うことで、自身の「子育て」も、変わった。経営者の頃は、髪を振り乱して事業に邁進するワーカホリック的なところがあったが、今はワークライフバランスを重視している。

「夜は子どもと早くに寝て、朝早く起きて仕事する。週末は娘と『ユザワヤ』に行って生地を買ってきて洋服を作ってあげたりしています。夏休みには、『母娘2人九州1周キャンピングカーの旅』をしたこともあるんですよ」

娘さんが通う地元の小学校では、PTA活動にも携わる。校長の立場でも保護者の立場でも、学校がよくなれば本望、なのだという。

今後の夢は、引き続き、市ヶ尾中学で、『自立貢献』した生徒を教育すること。

「これからの時代はいい大学、いい会社に入ることが、幸せとは限りません。終身雇用はもうありえないし、1つの仕事を続けるとも限らない。仕事だけでなく、家庭、また地域の一員としても役割を果たしながら、楽しく人生を送って欲しい。だからこそ、自分の意見を持って発信できる”自立”した人に、そして、周囲や世の中にも貢献できる人材になってほしいと思うのです」

筆者は、久しぶりに中学校を訪問し、平川さんに会い、自分の中学時代を思い出した。目に入るもの、ほとんどすべて、手当たり次第に影響される愚かな娘であった。あのとき、平川さんのような、自分を信じて勇往邁進する先生に出会っていたら、人生が変わっていたかもしれない。市ヶ尾中学の生徒も、知らずしらずのうちに「勇敢なワーキングマザー」平川さんに影響を受けているのではないか。

リクルートは優秀な「人材輩出企業」として有名だが、市ヶ尾中学が優秀な「人材輩出校」となる日を期待したい。

(撮影:大澤 誠)

 

 

 

佐藤 留美 ライター
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