脱・社畜レッスン「急な残業依頼、どう断る?」 人間関係を円滑にする「大人の言い方」
回答例1:「はい、わかりました」(心の中で、「大丈夫、真実の愛はもっと先にある」とつぶやきながら)
上司にとっては、なんでも引き受けてくれる都合のいい部下をひとり確保できてトクでしょう。でも、自分の予定を引っ込めるほうは、しょっぱい気持ちになりますね。昔の私もよくこうやって無理やり「YES」と答えて「仕事に頑張っている自分」に酔いしれていました。
だって、せっかくなれた「正社員」という身分ですもの。少しくらいプライベートを我慢して「私って社畜……」とつぶやきながら働いているほうが、東京のサラリーマン像に染まることができますから!
この場合は、まだ食事だから週末にリスケすることも可能かもしれませんが、あなたが遅れることでほかの誰かに迷惑をかけてしまう案件も多数あります。
また、自分のプライベートの予定より仕事を優先させる人だとわかると、同様のシチュエーションで次から次へと同じようなオファーがくるようになります。
そうすると、美容院に行けないのも「残業のせい」。服装が変わらないのも「残業で忙しすぎるから」。土日が仕事で潰れるのも「仕事のせい」……。こうなれば、1〜2カ月で立派な社畜への階段を上っていけるでしょう。
無条件に断ってもやっぱりソン!
回答例2:「あと15分しかありません」
……ストレートかつ、残業できないという事実を素直に伝えた言い方ですね。
はっきりとNOと言える潔さ、ザ・社畜だった自分としては羨ましくて仕方ないのですが、私が上司だったらこんなふうにNOと言われると、次から仕事を頼みにくくなるでしょう。面倒な残業から解放されるので言ったほうにしてみれば願ってもないことなのかもしれませんが……。
しかし、これでは、「残業できない」という「事実」だけでなく、「絶対に残業しない」という「頑なな姿勢」まで伝わってしまい、上司からの印象は確実に悪くなります。今日の残業は回避できるかもしれませんが、長い目で見て大ゾンです。「あの人は付き合いづらい」というレッテルを貼られたり、昇進のチャンスも遅くなりそうですね。
1の例のように、上司にトクが生じても自分はソンをすることもあれば、2の例のように、自分は残業回避というトクを得ることができても、上司は部下の労力をあてにできずソンをすることもあります。
では、現実には、どちらか一方がトクをして、どちらかがソンをするという、そんな一方的な関係しかないのでしょうか?
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