夫婦仲の悪さや転勤が子どもに及ぼす影響 人の悩みの70%は実現しない

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 【子育て相談 Vol.6】 転勤族は子どもをどう育てるべきでしょうか
 現在、生後4カ月の息子を育児中で、彼の進路について悩んでいます。
 わが家は、いわゆる転勤族であり、3~5年スパンで日本全国に移動する生活になると思われます。われわれ夫婦としては、父母が同じ敷地内にそろう家庭で息子を見守っていきたいと考えているのですが、そうすると、一人暮らしを始めるまでは、彼も転校を繰り返さなくてはなりません。
 また、今後、受験して私立の学校へ進学できたのに、親の都合で子供の頑張りを無駄にしてしまうのはよくないとも思います。
 そもそも、転勤先に家族で移動するべきなのか、受験を考えるなら単身赴任してもらうべきなのか。母子家庭で育った私にとっては、家族一緒にいられることは幸せだと思う反面、転校で思わぬトラブルに巻き込まれた経験もあるので、一所に落ち着いて教育環境を整えたいとも思います。
 わがままな悩みではありますが、ご意見をいただけたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

 

<ミセス・パンプキンからのコメント>

人の悩みの70%は実現しない

アメリカの著名な統計学者の研究によると、人の悩みの70%は実現してないそうです。つまり悩みの30%が実現しただけで、7割は取り越し苦労だったことになります。

ある有名な精神学者の話ですが、相談者によっては、その相談事をすべて解決せず、悩みの少しを残して、つまり悩ませておくのだそうです。全部解決すると、また別のささいな悩み事を“作って”、悩んでいないと気が済まないタイプの人がいるらしいのです。

生まれたばかりの子どもさんが小学生になるまでにまだ7年、第1受験期を迎えるまでにまだ10年以上あります。ご主人が会社の合併や転職で、転勤のない役職や職に就く可能性もありますし、今のまま転勤が続いたとして、転勤族の子として転校を繰り返したおかげでたくましさが身に付き、勉強やスポーツに集中力が備わり、行く先々で友達ができる子に育つ可能性も十分にあるわけです。

山一証券が倒産するなど誰が想像したでしょうか。トヨタやパナソニック、ソニーでリストラが行われるなど、これらの会社へ就職したとき、彼らは予想だにしなかったでしょう。優秀だから大企業だからと、安泰である時代は終わりました。サラリーマンにとって何が起きても不思議でない時代に、永遠に転勤族であると信じて悩むのは、あまり意味がないように思います。

むしろ転勤のある会社だったからこそ、ご主人が仕事にやりがいを見い出し、同時に家族も養えていると家族中で感謝しているかもしれませんし、ご主人が単身赴任を選んでも妻子のほうが同行を望むようになっているかもしれません。

まだ子どもさんは生まれたばかり。これからどんどんかわいさが増し、毎日が刺激的で充実した日の連続ですよ。母親の豊かな心がそのまま子供に影響するとなると、悩んでいる間もないはずです。どんな状況にも対応できる健康な体と心の持ち主に育てるべく、まずは楽しく離乳食の研究ですね!

ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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