7年の豊作から7年の飢饉へ、経済も同じ? 旧約聖書と経済学者が異口同音に示唆する「金融危機とその回復」

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なぜ、「やっぱりアメリカ経済を学びなさい」なのか?

さて、この連載のタイトルであり、私たちがしたためた本のタイトルでもある、「やっぱりアメリカ経済を学びなさい」。

連載の顔、本の顔にあたるタイトルで、「学びなさい」などと主張するからには、読者のみなさんに納得していただけるよう、理由をお伝えしなければなりません。

やや強めの言い回しをあえて使いましたが、それも、日本経済の将来や、みなさんの日々の暮らしを考えたとき、アメリカ経済からの影響がそこに及んでいないということが、現実的にほとんどないからです。

たとえば、安倍政権の経済政策、「アベノミクス」の効果を考えてみましょう。政権交代前の2012年11月に8000円台後半から9000円台前半の水準にあった日経平均株価は、あれよあれよと上がって、2013年5月には、ついに1万5000円を超えました。

その直後から乱高下を繰り返しているとはいえ、それでもリーマンショック以降続いた低水準の株価を思えば、「アベノミクス」はある程度の成功を収めているように見えます。この株高を支えているのは何なのでしょうか?

答えは、円安です。

外国から見ると、円安になれば、日本の製品は以前より安く買えるということになります。買いやすくなれば、数も売れるようになる、よって輸出企業の収益は改善する、そんな期待が高まって、株高が進んできました。これはしばしばセットで「円安株高」といわれます。

では、その円安はなぜ起きているのでしょうか。「アベノミクス」第1の矢である「日銀の異次元緩和」? 第3の矢「成長戦略への期待」? 

きっとそうなのですが、しかしそれだけではありません。アメリカ経済の回復が円安、ひいては日本経済の回復を支えている部分も大きいのです。

アメリカの金利が上昇するという期待が高まれば、ドルが買われます。すると、その代わりに円は安くなる。このポイント、ドルと円の関係性を見逃してはいけません。

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