北朝鮮に垣間見える、核実験より危険な兆候 ダニエル・スナイダー氏に聞く(下)

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――オバマ政権の北朝鮮政策をどう評価するか。

オバマ政権はかなりよい仕事をしてきた。オバマ大統領は最近、「北朝鮮の行動は、まるで子どもが、子ども用の椅子に座ってスプーンをガンガン鳴らし、わがままを押し通そうとしているみたいだ」と語ったが、大統領自身のこの発言はオバマ政権の見方をうまく言い表している。

ケリー国務長官は最近この地域を訪問し、極めて明快な2つのメッセージを伝えた。すなわち、米国は同盟国を防衛する用意があり、いかなる種類の挑発や緊張拡大に対しても断固とした姿勢で対応するが、その一方で、より広範な紛争の引き金となりかねない行動は抑えるよう努めている、というメッセージだ。

北朝鮮は国家としての承認と、核保有国としての地位の容認を求めている。この点についてケリー国務長官、引き続きオバマ大統領が、米国は北朝鮮の要求を受け入れるつもりはない、という極めて明快な姿勢を示した。オバマ政権は、本格的な協議の可能性も残してきた。オバマ政権には、北朝鮮との協議の再開について、韓国が先導的な役割を果たすのを認める用意がある。

日本の役割は限られている

オバマ政権は、中国と何らかの実際的な連携を行うことにも前向きだ。オバマ政権の高官たちは、北朝鮮を抑えるのに手を貸そうという中国の積極性を、高く買いすぎているかもしれない。しかし私は、コップの中身がもう半分しかないではなく、まだ半分ある、ととらえる楽観的な見方のほうが道理にかなっていると思う。米国としては、中国を引き込んで、北朝鮮に対する圧力を高めたい。

日本について言うと、日本が北朝鮮問題について果たせる役割は限られている。日本は北朝鮮との経済関係が希薄なので、日本政府は圧力をかける手段を欠いている。

日本政府には、米国は早まって北朝鮮との協議に入るのではないか、それは北朝鮮政府に対する安倍首相の強硬姿勢と整合しないのではないか、という懸念があった。しかし実際には、この結論は成り行きによって決まる。米国は日本および韓国と緊密に連携していきたいと願っているが、もうだいぶ前から明らかように、日本は方針を具体化していない。

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