米軍はいつまで普天間にい続けるのか
沖縄に駐留する米海兵隊の再編に関して、日米両政府がロードマップ(行程表)を発表してから、まだほんの2カ月しか経っていないが、ほぼ20年間にわたり沖縄の基地問題の進展を妨げてきた不協和が、またもや表面化している。
5月9日、海兵隊の施設本部長を務めるジェームズ・ケスラー少将が、上院小委員会の公聴会において、米軍の普天間飛行場は「今後おそらく10年から15年間」使い続けることになる、と証言した。
この証言どおりのシナリオが現実となれば、宜野湾市のど真ん中に位置する普天間飛行場は、最も長い場合で2028年まで使用され続ける可能性がある。そうなれば、当初に日米両国が発表した返還計画からはまるまる22年、返還の目標期限として設定した2014年からは14年も遅れることになる。
4月に発表された“画期的な”ロードマップでは、普天間飛行場は2022年「またはそれ以降に」返還するとしているが、日米いずれの政府関係者も、「それ以降」が何を意味するかについて、具体的な言及は避けている。ケスラー氏の証言は、米軍内部での海兵隊再編計画について、うかがい知るヒントを与えてくれる。
実際には、ケスラー少将の証言は、老朽化が進んだ普天間飛行場の状況改善を図る計画に予算を計上するよう、連邦議会に強く要請する内容だった。
4月に発表された行程表が、普天間飛行場の返還を「2022年またはそれ以降」としていることについて、沖縄県の仲井真弘多知事は、それでは結局のところ普天間飛行場を無期限に使い続けるのと同じことだ、との懸念を表明しているが、ケスラー氏の証言は、知事のこの懸念を裏付けることになった。
沖縄では、普天間飛行場の返還について政治的な圧力が高まっているが、海兵隊の作戦機構に緊迫感は生まれていないようだ。
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