それに引き換え救われる2番目のタイプは、あなたのように母親に非があることを知っている子どもがいる場合です。親戚や知人に対しては、何かと母親が迷惑をかけていることを、有言無言に謝罪かあいさつする姿勢の人です。
いつも陰口を言われている被害者も、家族は分かってくれているという安心感があり、うそつきさんからのやられた感も、少し薄らぎます。そのおかげでそのうそつきさんとも、決定的に険悪な仲にはなりません。そのような子どもは母親とも、無駄を承知であきらめず、助言する距離を保っています。
3番目のタイプは、親と完全に縁を切る人たちです。私の若い友人愛子さんは、夫・頑夫さんの両親の反対を押し切って結婚し、頑夫さんが実家から勘当されて20年。なんと頑夫さんの母親は、車で2時間の他府県から転院して、頑夫さん宅から10分の病院で1年間療養し、他界しました。
彼の母親はその間、彼の父親はじめ親戚一同に箝口令を敷き、頑夫さん夫婦にはすべての儀式が終わってから、知らせました。頑夫さんはその病院から10分の距離にいたのに、母親がそこにいることさえ知らされないまま、永遠の別れをしていました。覚悟のうえとはいえ、頑夫さんの心中、察するに余りあるものでした。
絶縁は、たとえ一方に非がなくとも、非がない方にも大きな禍根を残すものです。実際に血のつながっている親子の縁など切れるものではないのに、それを無理に切ったつもりでいると、あとになってから不都合なことがたくさん起こります。
老いた母親の教育も、子どもの務め
今回の相談を読んで、娘に対してコンプレックスを持つ母親がいる、ということを初めて知りました。自分が出来なかった勉強や経験を子どもが積めば積むほど、子どもを通して自分の夢が実現するようで、何倍にもうれしいのが親だと思っていました。
恵様が悲しい思いや歯がゆい思いを、相当されたことは想像できます。きっと父方の親戚の方々への、母上のコンプレックスも強すぎたのかもしれません。そしてそれには、多少の同情の余地もあります。
あなたは実家との縁を切ることに葛藤を持っておられる方です。ならば先の項で紹介しました2番目のタイプ路線に行かれることをお勧めします。娘からの説得など通じない母上ですが、そのウソの聞き役になる必要もありません。みっともない話には付き合わないと宣言し、その話題になると、さっさと席を立つのを繰り返すのも一方法です。それ以外では、娘ならではの心配りで接しましょう。
他の親戚や知人から母親の悪い部分の話題を聞かされた時は、ひたすら理解を示し、善処に向かって努力することを約束しましょう。義妹にも絶対、あなたから持ち出してはいけません。弟夫婦が不仲になるか離婚に至ろうとも、あなたの正統性を証明したいなら別ですが、何でもかんでも正しいからと、口にしていいものではありません。
それにあなたがこれまでより母上を訪ねれば、義妹からの不愉快な“吊し上げ”もなくなります。母上に良し、あなたの葛藤も軽減、義妹も納得の三方良しではありませんか。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら