もともと、これらの当事者団体の働きかけで、民主党政権時代にも、民主党の国会議員たちが「性的マイノリティ小委員会」を設立して活動したり、最近では日本維新の会の西根由佳衆議院議員が法務委員会でLGBT政策に関して質問したり、みんなの党がアジェンダの中に「性的マイノリティに配慮した施策を推進する」という項目をあらたに記載したりという動きは出ていました。
いよいよ自民党も変わり始めた
しかし安倍政権の誕生後、選挙前の各党へのアンケート結果から、自民党ではLGBTの状況はあまりよくならないと私は考えていました。ところが理解ある議員の方と当事者の積極的な働きかけで、確実に変化が起きているようです。馳浩議員のブログでは交流会を「次は永田町でやりましょう」と話したと書かれていて、個人的には隔世の感があります。
私は性的マイノリティの問題は、自民党などの保守政権の元では相手にされないと勝手に思い込んでいました。永田町には議員や議員秘書、事務局に当事者の方が実際にいらっしゃいますが、多くの方がカミングアウトできない状況だと聞いています。まだ結論を出すには時期尚早ですが、外国は外国、日本は違うとあきらめずに、積極的に働きかけをした結果、社会が変わって行く、そんな実例になるかもしれません。
先日、来日した国際NGO Human Rights WatchのLGBTアドボカシーディレクターのBoris Dittirch氏はこうした動き見て、「保守政党が新しいイメージをアピールするために性的マイノリティの問題に取り組む動きがあり、先日、同性婚を合法化した英国がいい例になっている。日本の政党からもそうした動きが出て、積極的に『アライ』になっていく可能性がある」とコメントしていました。
日本でも「アライ」・為末大氏が登場
今回の自民党議員のように、LGBT当事者でない方が、LGBTが社会的に不利な立場に置かれていると感じ、当事者を支援することを「ストレート(非当事者)・アライ(味方)」、または「アライ」と呼びます。主に北米を中心に始まり、世界中に広がってきました。米国ではシンディ・ローパーやバーバラ・ストライサンドなどの歌手が代表例ですが、芸能界以外でも政治家をはじめとして作家や学者、またスポーツ界でも広がっています。