日本では、2001年、2005年の世界陸上で銅メダルを獲得した為末大選手が、先日東京で行われたイベントに「アライ」として参加しました。このイベントはカラフルラン東京というイベントで、LGBTをはじめとするセクシャルマイノリティも、そうでない人も、みんなが笑顔で走る多様性を表現したランイベントとして行われました。参加資格は「あなたが考えるレインボーカラー」。カラフルなコスチュームを身に付けること。どんな人も自分らしい格好で、自分らしく楽しく駆け抜けようというテーマでした。
このイベントは私も参加しているNPO法人グッド・エイジング・エールズが主催しました。開催された5月1日はあいにくの雨。しかも集合時間になると一層雨脚が強まりました。天気に恵まれたゴールデンウイークでしたが、この日は別。ところが、参加者がほぼ集まり、いよいよ為末さんが登場して話を始められると、少しずつ雨が弱まって行きます。みんなさまざまなコスチュームに着替え、最期はコースを短縮して決行! 歓声と共に東京・表参道を駆け抜けました。
その後の打ち上げでは、為末さんが「来年もぜひやりましょう」とあいさつされ、会場のムードは最高潮に。今まであまり外に出ることのなかった当事者の方が、今回、為末さんが参加されることを聞いて、ストレートの友達を誘って参加されたという話も伺いました。また、ある日本の金融機関に勤められている方は、「職場でいっさい話していないけれども、こうしたアライの人と交流することでポジティブな気持ちになった。社内の当事者とアライのネットに連絡してみたくなった」との感想をくれました。
今年のゴールデンウイーク、東京はレインボーに!
著名人の「アライ」である為末さんが、LGBTとそうでない人を結ぶカラフルな糸になってくれたことを実感した瞬間でした。なお、このカラフルランは今年6月8日にも「カラフルラン in Kobuchizawa 」として山梨県小淵沢で再び開催されます。
日本でも始まったLGBT当事者とアライのコラボレーション。この取り組みには、純粋な社会的な弱者支援という観点のほかに、LGBT市場/人口へのマーケティングや、先進的なイメージを打ち出すという実利の視点があります。
今回カラフルラン東京が行われた今年のゴールディングウイークは「Tokyo Rainbow Week 2013」と銘打って、東京都内を中心にさまざまなLGBT関連のイベントが行われました。4月27日に行われた東京レインボープライド2013というイベントには、イベント全体で1万2000人もの参加者があり、日本IBMやGoogle、アルファロメオといった企業や、イスラエル大使館、イギリス政府観光局といった各国の政府機関がブースを出していました。アライとのコラボが新しい方向性を切り開いて行く、そんな予感がするイベントでした。次回はその中から、話題になったテーマやイベントを取り上げます。
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