「おネエ」だけじゃない、性的マイノリティとの共生を

企業におけるLGBT対応

「おネエ」だけじゃない、性的マイノリティとの共生を--企業におけるLGBT対応

30年近く前の学生時代、筆者はある友人に打ち明けられた。

「中学生ぐらいから学生服を着ることに違和感があった。水泳の時間はとても苦痛でよく休んだ。違和感は高校、大学と強くなっている……」。われわれはただ聞くしかなかった。親には相談しているようだったが、自分の性に問題があるのではと悩んでいるように見えた。数カ月後、キャンパスから姿が消えた。

「彼」がいわゆる性同一性障害だったかはわからない。そもそも当時はその名称すら一般的でなかった。日本で性同一性障害が認知されたのは1996年と比較的最近のこと。埼玉医科大が体の性を心に合わせる性別適合手術を正当な医療行為と認め、マスコミが大きく取り上げた。

その後、社会的認知の広がりの中で2004年に性同一性障害特例法が施行される。これにより条件を満たせば戸籍上の性別変更ができるようになった。また、結婚も可能だ。たとえば、女性から男性に性別変更した場合は女性と結婚できる。司法統計によれば、性別変更の認容件数は05年の229件から10年には527件と2倍以上に増えている。

「96年までは存在自体が否定される闇の時代だった。特例法によって大きく前進したが、まだ改正の余地もある。法整備だけでなく、社会的理解を高めるために教育や行政にも強く働きかけていきたい」と、性同一性障害を公表のうえ、世田谷区議会議員となった上川あや氏は語る。

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