「毎日同じ服はおしゃれ」が招く百貨店不況 ジョブズが黒Tとジーンズを着続けた理由
そもそも、働く女性は百貨店に洋服を買いに行く時間がない。そして、ネット通販を使えば翌日には買ったものが届くのです。一度「このデザインの服が良い」と決めて、それを定期的に買い足していくという消費行動をするのならば、敢えて店に行く必要はなく、ネット通販で十分なのですから。
同じものを買い続ければネットでも不都合はない
私も、実は下着をネットで買っています。以前は百貨店で買っていたのですが、同じものを買い続けているのでネットでも不都合はないわけです。ただ、日本人はやはり店頭で物を触って確かめたいという傾向があるので、ショールームとしての店頭は必要かも知れません。
こうした状況下において、店舗で新品の洋服を売って儲けていくのは至難の業です。わざわざ店舗まで足を運んでもらうためには、「売る」という行為をイベント化する必要があります。例えば、百貨店のカリスマバイヤーが各地で買い集めてきた自分の古着を販売してみる、あるいは、有名なアイドルの私物を販売するなど、どうでしょう。このように、その時その時の「一回性」をアピールしていかないと客が集まらないでしょう。
ただ、日本人の服装はまだ多様なので、まだアパレルメーカーはもっています。アメリカに行くと、服装はもっと画一的です。都心では、みんな黒いスーツにストライプのネクタイ、郊外へ行けば、皆「ランズエンド」(米国のカジュアル衣料通販)で買った同じようなポロシャツと半ズボンを着ています。人種が多様なので気づきにくいですが、実は髪型も似ています。そう考えると、日本でも今後はもっとシンプルに、もっと同じ服になっていく可能性があるかも知れませんね。
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