ドミニカで“日本式野球”を布教する男

広島カープのアカデミーを直撃取材

日本でのデビューを目指し、日々トレーニングに励むドミニカ人選手たち(撮影:龍フェルケル)

セカンドチャンスを求めて

ドミニカ共和国にある広島カープのアカデミーを訪れると、選手たちの着ているアンダーシャツのカラフルさが目についた。カープカラーの赤だけでなく、青、黒と色とりどりだ。目を凝らすと、赤のシャツにはセントルイス・カージナルス、青にはシカゴ・カブス、黒にはニューヨーク・ヤンキースのロゴが入っている。

「メジャーリーグの球団とマイナー契約を結んでも、活躍できなければすぐに解雇される。そうしたドミニカ人選手たちが、カープアカデミーにセカンドチャンスを求めてくるんだ」

そう語ったのは、投手コーチを務めるフアン・フェリシアーノ。彼自身、プロ生活をスタートさせたボストン・レッドソックスのマイナーリーグ時代には結果を残せなかったものの、カープアカデミーで実力を伸ばし、2004年から広島で3年間プレーした経歴を持つ。その後はイスラエルやメキシコ、アメリカの独立リーグなどに活躍の場を求め、2011年からカープアカデミーで指導している。

1990年、カープアカデミーは総工費6億円をかけて設立された。メジャーリーグでシルバースラッガー賞(各ポジションで最も打撃に優れた選手を選出)に4度輝いたアルフォンソ・ソリアーノ、1995年に広島でチーム最多の15勝を飾ったロビンソン・チェコを輩出したものの、近年はあまり機能しているとは言いがたい。

その理由について、フェリシアーノはこう説明する。

「カープアカデミーから日本に行く選手の多くは、プロ経験のない者ばかりだ。ドミニカ人が日本の野球に適応するためには、やるべきことがたくさんある」

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