ドミニカで“日本式野球”を布教する男

広島カープのアカデミーを直撃取材

2月現在、カープアカデミーには13選手が所属している。その全員が投手で、年齢は20歳前後だ。フェリシアーノの言葉を借りれば、彼らは「セカンド・タレント」と形容できる。

「正直、カープアカデミーに来る選手の才能は、カネのあるメジャーリーグより劣る。でも、彼らだって可能性を秘めている」

そう話すフェリシアーノの指導法は、ドミニカでは極めて異質の日本流だ。メジャー方式が一般的なドミニカで、日本式を浸透させるためにフェリシアーノは毎日こう繰り返している。

「強いメンタルを育むことができなければ、いい選手にはなれない。強靭なメンタルを身に付けなければ、スーパースターにはなれない」

若手選手を指導するフェリシアーノ(撮影:龍フェルケル)

カープアカデミーに所属する選手のほとんどが、貧困に苦しみながら育った。幼少期に学校へ通えなかった弊害で、規律と他者への敬意を欠いている。大人になった現在でも自らに厳しい練習を課せず、技術指導を受けても1週間後には忘れてしまうという。

フェリシアーノは広島でプレーしながら規律を学び、体格でドミニカ人に劣る日本人選手が活躍できる理由を肌で理解した。日本人はつねに一生懸命プレーし、強いメンタルを備えていた。

そうした心構えこそ、成功する秘訣だとフェリシアーノは熱弁する。

「いつだって、絶対にあきらめないことが重要だ。あきらめた瞬間に、付いて行けなくなる。つねに向上することを心掛け、チームのために貢献しなければならない。選手には日本の文化、日本の野球に敬意を払うように話している。互いを尊敬し合うことができなければ、野球をプレーするのは難しい」

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