そしてこの面白さは、会社の至るところに発見できます。まず、社屋が5階建てで八角形をしています。建築コストも高くテナントも入りにくいのになぜそんな形にしたのかと言えば「その方が面白い」から、と実に単純です。でも、八角形だからこそTVの取材もあり、営業での話題作りにもなります。変わっていることの効用もあるのです。
朝礼も元気です。全員DeNAのスタジャン姿で登場し、円陣を組み歓声を上げます。契約成立を報告した社員は、全員に取り囲まれハイタッチされます。元気朝礼の勢いのままお客を訪問すれば、営業にも弾みが出ます。
何よりも面白いのは、その採用基準。面接では必ず「野球チームはどこのファン?」と聞かれますが、「ベイスターズのファンです!」と答えなければいけません。それが嘘でもいいのです。ベイスターズ一色の会社なのだから、それに合わせた協調性を示せるかどうか、が重要なのです。
また面接官の意をくんで、当意即妙に答えられるか、も見ています。その機転は、入社後、営業の場面でも生かせるはずです。
「バス釣りの法則」とは?
もうひとつ、志村社長が強調するのが「バス釣りの法則」です。ブラックバスを釣るには疑似餌を使いますが、40cmほどの知恵がついたブラックバスは引っかかりません。でも、20cmほどの経験の浅いブラックバスは食いついてきます。ジェイジェイエフが欲しいのは、そんな素直な人材なのです。素直だからこそ、ベイスターズのスタジャンを着て仕事をしても大丈夫、朝礼でハイタッチしても恥ずかしさを感じません。社風に同化し、共に戦う仲間になれるのです。
ではそうして「釣った」20cmのブラックバスで、どのような営業をするのでしょうか。率直なので、口八丁手八丁の営業はできません。志村社長も、会社のホームページで「当社の欠点は営業ができないこと」と告白しています。しかし、実はお客は強引な売り込みを望んではいません。そうした旧来型の営業ではなく、誠実に、提案力で勝負するのがジェイジェイエフのやり方なのです。
見積書の表紙に凝り、六つ折りの名刺を渡し、自社紹介DVDを提供します。リフォームの仕事が終わっても、定期的に訪問し、不具合があればできるだけ無償で修理します。そうした地道な努力で、お客の信頼を勝ち得、ついには会社名でなく担当者の名前で覚えられるようになれば本物です。次の契約までの期間はアフターサービス、お客様はエンドレスユーザーという考えがその根底にあります。
売り上げの9割がリピートと紹介、つまり既存顧客からの成果であるのは、そんな努力の賜物なのです。
ジェイジェイエフは、本体の他、5社ののれん分けの会社があります。2社は彦根市と草津市、他の3社は本体と同じビル内にありますが、会社としては独立して各々でマネジメントを行っています。総勢30人。本体が10人、のれん分け会社が各々3~5人で構成されています。FC料を本体に収めますが、事務機器なども利用、ホームページやチラシなどを共有できます。
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