DeNAファンのみ採用!2代目社長の真剣理由 リフォーム会社が極める全員野球経営とは?

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「ローリング・ストーンズのシングル曲『ジャンピング・ジャック・フラッシュ』の頭文字です。長いので、ジェイ・ジェイ・エフにしました」

実は志村社長、学生時代にアマチュアバンドを結成。自作自演のロック調コミックソングでTV出演も果たし、「ヤマハポピュラーソングコンテスト」近畿大会優勝の経験もあります。ちなみに、当時ギターを担当していた米澤光由氏は、後に「ZARD」の作曲も手掛けるなど、メンバーも実力者ぞろいでした。

そんな経験から、ローリング・ストーンズの楽曲を社名にしたのですが、もうひとつ深い思いもあるそうです。「その歌詞に ♪ガス、ガス、ガス(嘘っぱち、ハッタリ、絵空事だ)というのがあるのです。自分の中ではガスを忘れたくないのです」

社名変更の翌年から、水道事業にも参入。建築現場で重宝がられる「水道工事もできるガス屋」として一定の評価も得られるようになります。しかしすばらしい技術や労働力があっても、下請けは下請け。やはりエンドユーザー向けの仕事に携わりたいという思いから、リフォーム事業に進出することになります。

ところがそれが、社内で軋轢を生みます。同じ会社に、元請けの顔色をうかがう部門と一般顧客を相手にする部門が併存することになり、関係がギクシャクし始めたのです。退社者が続出し、20人いた従業員は、わずか6名にまで減ってしまいました。社業の拡大が裏目に出たのです。

「私もワンマンでしたし、ピラミッド型の組織であったのもいけなかったかもしれません。でも残って欲しい人が残ってくれたので、それだけは救いでした」。ちょうど前年は、権藤監督率いるベイスターズが日本一になった年でした。関西では珍しく、父親の代から根っからのベイスターズ・ファンだった志村社長は、悲願の優勝を遂げてくれた権藤野球に、会社の危機を乗り切るヒントを見出します。『権藤語録』を繰り返し読み、その言葉は逆境にある志村社長の胸に深くしみました。

リフォーム会社が推進する全員野球経営

志村社長はまず、権藤監督の就任時のスピーチに感銘を受けます。

「皆さんはプロなので、プロらしくやってください。以上」

残った6名の社員は少数精鋭のプロです。組織がピラミッド型のまま、志村社長がその上に君臨しても意味がありません。ベイスターズのようにフラットな組織にし、社員たちに仕事を任せることにしました。権藤監督が標榜した「奔放主義」がそのお手本です。

「中小企業で伸びているところは、やる気のある社員が残っています。そのためには、自主性を重んじて、自発的にやらせることです。権藤野球のように、社員一人ひとりの力を信ずることから始めました」

リフォームの見積もりも社員個々の裁量に任せました。社員たちは、自由であるがゆえに責任やプレッシャーも感じますが、成約に至った時の喜びは格別だと言います。志村社長の口癖は「自由・責任・面白い」ですが、責任感を持って自由に決めそれが成果に結びつけば、まさに仕事が「面白く」なるのです。

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