1人当たり付加価値額で給与の支払い余地を見る
もう一つ、今回、重要指標として挙げた数字が、1人当たり付加価値額だ。賃上げ余地を探るに当たって、内部留保など原資となりうるストックの数字を見る方法もあるが、今回は企業が生み出すフローの付加価値を重視した。過去の蓄積を吐き出すだけでは持続可能性がない。将来キャッシュフローのしっかりした見通しが立って初めて賃上げが可能となるからだ。
この1人当たり付加価値額と年収の比較は、実は賃下げ危険度のシグナルにもなる。たとえばソニー。11年度ベースの推定年収915.5万円に対して1人当たり付加価値額はわずか625万円。ソニーはこの後に賞与削減を実施。実際の年収は1人当たり付加価値額に近づいている。
では、主要1300社の年収データ。今回はメーカーにしぼり、業種ごとに見ていくことにする。
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