ニコニコは「ネット民」と現実をつなぐ “熱”を生み出すコミュニティのつくり方
「ネット民」と現実社会を接続するニコ動
現実社会で自分自身をなかなかストレートに表現できない。コミュニケーション障害とは言えないまでも、人見知りがちょっと強い程度であっても、なかなか多くの(現実の)人の前では自分の意見を言えない人は少なくない。
かつてパソコン通信は、そうした自分を表現しにくい、面と向かってはなかなか言葉を出せない人たちにとって自分自身を表現する場になった。こうして記事を書いている筆者も、かつては心の中にある思いと現実でそれを表現できないギャップに悩んでいた時期がある。そのギャップを埋め、表現する場を与えてくれたのがパソコン通信だった。
川上氏が言うネット原住民とは、そうしたネット(まだ当時はインターネットでもなかった)に居場所を見つけることができた第一世代の原住民を指し示している。その後、ネット原住民たちの中には、現実社会に身の置き場所を見つけ、インターネットの時代に新たな可能性を見つけて活躍の場を広げる者も出てきた。
川上氏自身「自分はネット原住民だ」と話す。ニコ動というサービスが発展するとともにニコニコ宣言は増加し、最新の第七宣言では「ニコニコは仮想世界を現実世界へとつなげます」と記されている。これは、ネット原住民である自分たちが、生まれたときからインターネットが存在する世界に生きる“今のネット民”たちを、現実社会と接続する責任があると考えているからだ。
本連載の立ち位置
さて、こうした川上氏へのインタビューは、今回のニコ超2に合わせて執筆した『ニコニコ的。<試食版> ――若者に熱狂をもたらすビジネスの方程式』に掲載している。特に川上氏へのインタビューについては<無料試食版>にすべて収録している。文庫本換算で20ページ程度の分量である。
また、ニコ超のプロデューサーで、ドワンゴのコンテンツ事業責任者として長年中核にいる横澤大輔氏のインタビューを含め、さらに掘り下げたものを<豪華試食版>として300円で用意した(公開当初は100円でダウンロードできるとのこと)。これらは<試食版>と表現しているように、単行本に向けた準備号という位置づけだ。
<豪華試食版><無料試食版>は、各種ネット書店で発売中なので、よろしければぜひ一度お読みいただきたい(Kindle版はこちら<豪華試食版>)
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