生保の営業は「旧体質」から脱却できてない 覆面座談会で生保レディが実状を明かす

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――指導者の質では、具体的にどのような問題がありますか?

Dさん:昔は通用した営業話法を新人に教えても意味がありません。時代は違うのだから。そういう先輩にあたると、新人は間違った認識を持ってしまいます。それから昔からある理想的なプレゼンのビデオを見せて、新人を夢見させておだてるような教育ではなくて、今の世の中は厳しく、この仕事は甘くはないことを最初から指導すべきです。

Bさん:トレーナーの質がすごく低下しています。今、国を挙げて女性管理職を増やそうと言っていますけど、実力の伴わない管理職では、新人が犠牲になるだけです。トレーナーや管理職でも、能力不足や業績不足なら給料を減らして営業職に戻すような厳しさが必要だと思います。

Cさん:私もトレーナーにはいろいろ思うことがあって……。

――Cさんは、間もなく生保レディを退職されるそうですが、その理由に、トレーナーや管理職の人の影響もあったのですか?

Cさん:一番の理由は、他にやりたい仕事が見つかって、転職することにしました。でも実は、この春ごろまで私はトレーナーを目指していて……。でも先輩たちの人間関係の摩擦などを目の当たりにして、人間不信というか、もうお腹いっぱいかな。ある意味、いい社会勉強にはなりましたけれど。

Bさん:トレーナーや男性の社員も含め、管理職になったら尊敬されるべき立場としての自覚を持ってほしい。私たちは歩合給なので必死にならないと給与が下がるけれど、彼ら彼女らは固定給だから考えが甘すぎるのが見え見えで、本当に不愉快です! ちょっと言いすぎかな?(一同、苦笑)

――Dさんは生保レディを辞めて現在乗合代理店に勤務されているそうですが、代理店に転職して何がいちばん変わりましたか?

Dさん:仕事の時間に余裕ができて家族との時間が取れるようになり、心が平和になりました。また、大手生保の商品ラインナップにはどうしても偏りがあったので、できるだけさまざまな顧客層のニーズに応えようとすると相応しい商品がないことがあり、他社にはあるのに、という矛盾にぶつかります。でも乗合代理店では、小型商品、貯蓄型商品、外貨建て、経営者向け、相続対策など、庶民から富裕層まであらゆるニーズに応え
られる、という強みは大きいです。

営業職員が優れている点は?

――逆に代理店よりも営業職員のほうが優れている点や強みは?

Dさん:営業職員のほうが顧客へのアフターフォローが手厚いです。既契約者を当たり前に定期訪問し、保全の際も顧客のもとへ飛んでいくような文化が根付いていますが、代理店は顧客とそこまで親しくないというか、顧客に深くは踏み込まない印象です。また代理店では自分のことは自分でやる感じなので、独自性や自主性の強い人には向いていますが、そうで
もない人は難しい。それから保険会社によってシステムが異なるのを覚えるのが大変。大手生保はシステムもタブレットも、自社だけなので覚えやすいですからね。

――タブレットの話が出ましたが、大手生保ではタブレットの使用やペーパーレス化を進めていますが、便利になりましたか?

Aさん:不便な点もありますね。お客様に画面上で署名をいただいて確認し、さらにPDFが表示されるまで時間がかかり、またそれを確認いただくので二度手間に感じます。エラーメッセージもわかりにくい。紙での申し込みのほうが早くて簡単です。会社で新契約のペーパーレス化90%という目標があるのでタブレットでやっていますが、もっと改善が必要です。

Bさん:うちでは新契約はタブレットで申し込みできますが、保全はほとんどが、まだ紙です。

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