生保の営業は「旧体質」から脱却できてない 覆面座談会で生保レディが実状を明かす
――では教育体制の強化や給与改革の効果が、結果として出ているということですか? 課題などはありますか。
Aさん:新人が査定をクリアしやすくなって続けられる期間が長くなっても、最終的に実力がつかないと、2年以降は苦しくなります。目先の数字ではなく白地開拓などの営業の基礎を、きちんと教育しないと意味がありません。
Bさん:うちも先輩についていけば契約がもらえるという、新人たちの甘さが目について……。危機感が足りません、もっと必死に頑張らないと。営業の世界は甘くないことがわかっていません。新人の査定基準を緩和して一時的に辞める人が減っても、実力が伴わず数年後には結局続けられなくなり中堅層が育たないというパターンになります。会社は20年以上前か
ら、数年おきにこれを繰り返しています。一時しのぎしているだけで、昔と全然変わっていません!
「商品力」と「指導者の質」
――ではどうすれば新人に実力がつき、長く続けられるようになると思いますか。
Cさん:うーん、「商品力」と、「指導者の質」この二つがポイントでは。(一同、うなずく)
――商品力とは具体的にどういうことですか?
Aさん:学資保険や一時払いなどの貯蓄型商品をステップに、保障型の主力商品へつなげるという指導をしていますが、そこまでできるようになるには時間もかかるので、結果がなかなか出なくて気持ちがもちません。新人でも販売しやすいような商品ラインナップを増やし、また主力商品の保険料を下げるなどの対策が欲しいです。
また、新人が営業に行ける先がそもそも少ない。職域開拓など会社側が販売環境をサポートしてあげないと、新人が続けていくのは本当に難しいです。
Cさん:新人にとって、お客様に自信を持って勧められるような、いい商品、他社に負けないような商品力が大事だと思います。昔は、お客様が「人」を選んで保険に入ったけれど、今は情報もありますから、人ではなく「商品」で選ぶ時代なんです。
Dさん:そうですよね。そういう販売環境の変化を会社はもっと自覚しないと……。エリートサラリーマン、お金持ちしか入れないような商品を売らないと残っていけないような方針って、イマドキどうなんでしょうか?
もっと庶民的な商品の販売や、代理店並みに手数料を増やすなどすべきです。そもそも歩合率が低すぎます。