就活の“後ろ倒し”は迷惑?大学生の本音 首相が「3年生3月解禁」を、経済界に要請へ
どういうことか。平野氏はこう続ける。「企業側にとっては、8月選考がポイント。グローバル人材を欲しがっている企業にとって、8月の選考開始は都合がいい。海外の大学はだいたい6月に年度が終了するので、留学生が不利にはなりません」(平野氏)という。つまり、通年採用の手間が、ひとつ省けるというわけだ。
「暑い時期にスーツはツラい」
一方、こうした就活「解禁時期」の変更について、当の大学生はどう考えているのだろうか。
「3年生から就活では、大学生なのに大学生ではないような気がする」「就活の時間が長すぎてプレッシャー」――。文化放送キャリアパートナーズが実施したアンケート調査(右)で「現状通りと政府の提言と、どちらの時期のほうが望ましいと思いますか?」と質問してみたところ、「現行の解禁時期は早すぎる」という意見は確かにある。ただ、総合的に見ると、今の「『12月解禁、4月選考』のほうが望ましい」と答えた学生が6割強と多数を占めた。
「8月選考開始で就職先が決まらなかった場合、そこから新しい企業を探すのは大変」「最後の夏休みを満喫できなくなるのは悲しい」「暑い時期にスーツを着て就職活動をするのは体力的にも負担」「秋採用という2回目のチャンスすらなくされるのだから不安感しかない」「卒業までに内定が決まらず、就活浪人をするような学生がかえって増えるのでは」「むしろ不透明な選考が増える」――と、大学生からは、解禁時期を遅らせることについて、心配する声が目立つ。
特に理系の学生からは、「8月選考だと卒論と就活を同時進行させなくてはならず、かえって学業がおろそかになる」「理系の卒業論文や修士論文などに向けた研究は大変忙しい」と、研究との両立に不安を募らせる声が多く寄せられている。12月解禁を前提に履修科目を決めたり、留学を考えたりしている学生などは、計画そのものが狂ってしまうのだ。
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