就活の“後ろ倒し”は迷惑?大学生の本音 首相が「3年生3月解禁」を、経済界に要請へ

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内定ゼロで卒業する学生が続出する懸念も

仮に「3月解禁、8月選考開始」が実施されたとして、短期決戦で就活を終了できる学生ばかりではない。「卒業後も就活を続行せざるをえない孤立無業(SNEP)の若者が増えるのではないか」と前出の平野氏は懸念する。就活セミナー、中小企業の採用活動や、公務員試験の時期など、多方面に影響を与えるはずだ。

「これまでもそうだったが、なぜ、時期だけにこだわるのか。勉強させたいのであれば、現行のルールのまま勉強させる方法も考えられるのではないか」(平野氏)という指摘ももっともだ。学業と両立できる就活は本来どうあるべきなのか、長期的視野が欠けているように見える。学生にしてみると、頻繁な「解禁時期」変更は、迷惑以外の何ものでもない。

(撮影:今井 康一)

高橋 志津子 東洋経済 記者

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たかはし しづこ / Shizuko Takahashi

上智大学法学部国際関係法学科卒。東洋経済新報社に入社後は、会社四季報、週刊東洋経済、ムック、東洋経済オンラインなどさまざまな媒体で編集・執筆を手掛ける

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