結構ヤバい、過剰採用世代の「2020年問題」 オリンピックに浮かれていられない人たち

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でも本当に2020年以降は不安ばかりなのでしょうか?各メディアの経済記事を眺めると、2020年以降の不安材料を探して「大丈夫か?」と、危機感をあおるような論調であふれています。それが「2020年問題」としてあちこちで話題になっています。

その典型と思えるのが、マンションの資産価値がゼロになる……などといった不動産不況の到来を予測する記事。あるいは世界に目を向けて、中国の生産年齢人口が減少するなか、生産拠点としての国際競争力は低下するなどと危機感をあらわにするなど、例をあげればきりがありません。

では、当方が専門としている人事領域でも不安材料はあるのか?残念ながらあります。今回は人事の2020年問題について紹介したいと思います。

人事の2020年問題とは

そもそも、これまでの日本企業は危機に遭遇すると「人と組織」をどうしてきたのか?採用(おもに若手社員)の抑制に加えて、報酬体系の見直し、非正規社員の比率の増加、中高年層の早期退職などで対処してきました。いわゆる、リストラです。リストラとは「組織の再構築」を意味しますが、ダウンサイジングを前提とした取り組みのことも指します。近年でもリストラのニュースが世間を騒がせていた時期がありました。東洋経済オンラインでも今年、5年前よりも正社員を減らした会社ランキングを掲載。

1位 パナソニック 13万人
2位 NEC    4.3万人
3位 ソニー    3.6万人

と紹介していました。

このリストラによってとくに職場から離れた世代には、1950年代生まれの世代も多いでしょう。まさに人口の多い世代です。子どもの頃は学校の教室が足りなくてプレハブの教室で学んだなどと、この世代の方々から聞いたことがあります。それだけ競争も激しい時期であったことでしょう。会社は大量採用したこの世代の人件費を削減して生き残りを実現したとも言えます。

が、根本的に問題が解決したわけではありません。会社が過去に行ってきた採用数の「振れ幅の大きさ」で同じようなリストラを迫られる可能性が高いからです。

景気と採用数(とくに若手社員)は連動してきました。

景気好調=採用数増  
景気不調=採用数減

この採用数の振れ幅の大きさが2020年に会社に大きな問題をもたらす可能性が高いのです。

時間を巻き戻すとバブル、団塊ジュニアと呼ばれる世代の社員は各社で大量採用されました。ちなみに当方もその大量採用組の1人。リクルートに入社したときには同期社員が800名いました。それでも会社の業績は右肩上がりと信じていたので、会社についても自分個人についても、将来に対する不安はみじんもなかったように記憶しています。

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