これまで私は、小中高生3000人以上に直接指導し、5万人以上の生徒への講演会、さらに私の周囲にいる東大生たちから、いわゆるできる子(人)の“頭の中身”を垣間見る機会が数多くありました。そうした経験から、次のようなことがわかってきました。
「できる子の頭は、樹木の構造になっている」
一般的な樹木は、太い幹があり、そこから大枝が出ていて、さらに小枝が出て、その先に葉っぱがついていますね。さらに、地面の下には、根っこがあります。まさにこれが、頭の中の“姿”なのです。
できる子は自然と、または後天的に教えられて、体系化された構造が頭の中に作られているのです。
昔、算数や数学で「樹形図」というものがありましたね。あれはこの構造に似ています。パソコンでフォルダを作って分類し、その中にファイルが格納されているディレクトリ構造もこの一種です。本を見れば、初めに目次が書かれています。その目次も樹形構造の一種です。
しかし、私は、これらを一歩発展させ、葉っぱと根っこをつけたし、「思考の樹」という構造にまとめました。ただの樹形図としての分類だけではなく、具体的事例である“葉っぱ”と、背景・理由に当たる“根”まで含めて、「樹」を作ったのです。そして、これを使っていくと勉強における情報整理のみならず、人に話をするとき、プレゼンテーションするとき、課題発見、問題解決をする場合にも使えるようになっていきます。
思考の樹
では、「思考の樹」についてわかりやすくご説明します。まずは「思考の樹」パーツです。それは、次のようなもので成り立っています。
幹→これはいちばんの中心軸で「テーマ」です
大枝→「テーマ」をさらにわかりやすくするための中項目
小枝→場合によっては大枝のことをさらにわかりやすくするための小項目
葉→小枝についている具体的事例や具体的問題
根→背景や理由、言いたいこと
学問や勉強の世界は、この構造がしっかりとできています。子どもたちにとっては、情報(葉っぱ)ばかりであるように見えるかもしれませんが、よくみると、根があり、幹があり、そして根っこがあるのです。ただ、教えるときに、「これは幹」「これは葉」「これは根」なんていう教え方はしませんね。ですから、聞く側は、すべて同じ情報(葉)と勘違いして、まとまりがなくなり、そのうち、「訳がわからない」「何のためにやっているの?」という発言が出てきます。
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